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『相談だったら樹くんが
乗ってくれてるよ?』
「… そのせいで危うく俺
樹にしばかれるところだった」
『あははっ何それ』
「Aちゃんのこと泣かして
何やってんだーって」
『そうだったんだ(笑)
じゃあ今度お礼しないと』
すると口をムッとさせて
引き寄せられた。
「樹に相談するくらいだったら
俺に言ってよ。俺Aちゃんのこと
失いたくないから、不安にさせないように
俺の彼女になったこと後悔しないように
頑張るからさ、色々」
そう言って抱きしめてきた
彼の声は少しだけ震えてて。
あの国宝級イケメンの松村北斗に
失いたくないと声を震わせるほどの
美貌とか魅力が自分にあるとは大抵思えない。
…けど、それでも
想われてることは分かる。
『なに言ってんの!
私、北斗くんの彼女になったこと
後悔したことないよ?
出掛けれないとか他のカップルと
同じようなこと出来ないって
不満に思ったこともない』
「… 我慢させちゃってない?」
そっと嘆くように私の耳元で言った彼は
自信なさげだった。
『してない。だって私が出会った
北斗くんはアイドルとしてじゃなくて
カフェの常連さんとしてだから。
モンクロがだーい好きな人(笑)
最近男性のお客さん増えてるから
話しかけられることも増えたけど
私が大好きなのは北斗くんだけ』
真っ直ぐ目を見て言うと
恥ずかしそうに抱きしめられた。
「俺も大好き… 」
『へへっ、よかったぁ
北斗くんに嫌われたわけじゃなくて!』
「嫌う訳ないじゃないの。
俺の大好きな彼女よ?」
そう言って髪の毛を耳にかけられると
少しづつ顔が近づいてきた。
『んっ、』
久しぶりにしたキスは
アルコールの味がした。
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作者名:あいびー | 作成日時:2024年2月4日 12時