Coffee & Cream (ページ8)

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ep. 8 ページ8

「で？話したことはあんの？」

「… まぁ、おはよう、くらいは」

「やっば(笑)それ挨拶だから」

「だって何言っていいか
分かんないじゃん！」

「“お姉さん、お名前は？”
とか聞いたっていいだろ(笑)
毎週通ってんだろ？
それでよく名前も知らないね(笑)
逆にすごいよ、北斗」

「あっ、でも今週行った時
いつもよりちょっと話したかも」

「うわー何それ。お前の“話した”は
当てになんないからな〜(笑)」

「いやなんか
俺毎週モンクロ頼むじゃない？
今週はショーケースになくてさ。
多分、持ってくるの忘れちゃったのかな？
店員さんが席まで持ってきてくれたんだけど
すごい手震えててさ。俺そんなに怖いかな？
ってすごい考えさせられた日だったよ」

別にいいんだけどさ
私のミスだから。

だけどこの人すごい抉るじゃん
私の傷。

公共の電波を使って
抉ってくるじゃん、この人。

「……は？」

「え、何？」

「北斗それ“いつもよりちょっと話した”
エピソードじゃなくて、お前が店員さんを
ビビり散らかしたエピソードだろ？
震えてんの見て、声かけてやったの？」

「いや、謝られたから、
全然気にしないでって言ったよ」

「その時お前笑ってたか？」

「…… 笑ってはなかったと思う」

「はいアウトー」

いや本当に。

松村さんと話してる
… 田中さん？

私の思ってたことを
そのまんま言ってくれてる。

本当に怖かったなー
なんて思っていると
瞼が重くなってきた。