Coffee & Cream (ページ26)

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ep. 26 ページ26

あぁついに。

ついに働きすぎ、勉強しすぎで
幻聴が聞こえる域まで来てしまった。

目の前にいる私が恋をしてしまっている
北斗くんの口から告白の言葉なんて
聞けるはずがないのに。

「Aちゃん…？」

「あれ、おーい、Aちゃん？」

「Aちゃん？」

目の前で手をブンブン振っている人は
確かに私が好きな人。

『… はい、はいっ！』

「大丈夫？意識飛んでた？」

『いや、あの、最近バイトしすぎ？
勉強のしすぎ？で幻聴が』

「ははっ、何？幻聴って」

爽やかに笑った彼は
本当にかっこよくて。

日常的にこんなイケメンを見てるから
想像力がエグいことになってたのか。

本人に私の幻聴を言えるわけもなく。

モゴモゴしてると、

「俺がAちゃんと
付き合いたいってこと？」

『…へ？』

「あ、俺がAちゃんのこと
好きってこと？」

『え、ちょ』

「それとも、俺がAちゃんのこと
好きすぎて、妬いてもらうために
色々作戦実行してきたってこと？」

『ちょ、ちょ、ちょっと待って』

幻聴じゃなかった。

ていうか最後の何？
一つだけ変わってる内容
だった気がするけど？

『本気で言ってる？』

「俺はいつも本気よ」

繋がれてる手は確かに温かくて。

仄かに香る北斗くんのコロンも
これは現実なんだって思わせてくれる。

「で？どうなのよ。
松村北斗が真剣に付き合いたい
って言ってるんだけど？
Aちゃんは俺のこと
好きでいてくれたりするの？」

『… す、きです』