Coffee & Cream (ページ21)

今日:37 hit、昨日:90 hit、合計:61,483 hit

ep. 21 ページ21

北斗side

樹「押してダメなら引いてみろ」

樹からもらったアドバイスは
驚くほどにありきたりだった。

俺にしては頑張って
「気になってますよー好きですよー」
って行動で示してるつもりなのに
彼女は全然気づいていない。

そんな時タイミング良く
俺に好意を向けてくれてる
カノンちゃんが現れて。

でも申し訳ないけど俺には
全然響いてなくて。

貴方じゃないのよね
俺が振り向いて欲しいのは。

なんて思いながら
Aちゃんに妬いてほしくて
カノンちゃんと仲良くなった。

一アイドルがすることではないのは
十分承知してるのよ。

でも松村、焦ってんのよ。

全くと言っていいほど
Aちゃんが靡かないから。

彼女のスケジュールは樹に聞いたから
把握済みで、頑張ってメールも電話も
我慢してるけど向こうからかかってくる
様子は一切ない。

こんなに振り向いてくれないと
俺、自信無くしちゃうよ？

Aちゃんと顔を
合わせなくなってから３－４ヶ月。

カノンちゃんが急激に距離を詰めてきた。

「松村さん」

俺がカウンター席で台本を読んでると
話しかけてきた彼女。

ちなみにAちゃんがいないのに
カウンター席座ってる理由としては
カノンちゃんにカウンター席に
誘導されたから。

松村の意思じゃないってわけ。

「はい？」

顔を上げるといつも以上に
目元をキラキラさせて可愛らしい格好で
俺の方を見ているカノンちゃん。

こんな時でさえ
「Aちゃんとの空気感が
恋しいな…」なんて彼女のことを
思い出しちゃってる。

「私今度、ラテアートの練習するんですけど
松村さん、飲みにきていただけませんか？」

「ラテアート？」

「はい！今までは店長がラテアート
担当だったんですけど私も
任せてもらえるらしくて… 」

「店長に教えてもらうの？」

「いえ、Aさんがゼミ前に
来てくれるらしくて」

久々にAちゃんに会える
ってなったら来るしか…ないよね？