Coffee & Cream (ページ3)

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ep. 3 ページ3

あまり明るい雰囲気ではない…
っていうか全く明るい感じでは
ないんだけど毎週来てくれるから
懲りずに話しかける。

たまに私一人で会話繋いでる時あるけど
今となっては慣れてしまった。

「モンクロ… ってなんですか？」

『あ、ごめんなさい！
アーモンドクロワッサン
略してモンクロです(笑)』

「… ふふっ」

俯いていてよく見えなかったけど
確かに笑った！

初めて笑ってるところ見た…

『すみません、
お会計1300円になります』

何も言ってくれないってことは
調子乗りすぎたかな…

『200円のお返しになります。
ありがとうございました！』

お財布に小銭をしまっていると思ったら
急に顔を上げてマスクを下げた彼。

「いいんじゃないですか？
モンクロ… 流行りそう」

そう言ってニコッと笑うと
またマスクを上げて
カフェの奥へと進んだ。

ーーードキッ

いつも暗い顔して入ってくるけど
笑った顔はすごいカッコよくて。

一人でドキドキしている私を置いて
角の席へ座った彼。

私がコーヒーを作っている
ところからしかよく見えない
その角の席は彼の特等席。

他のリピーターさんが
好んでよく座る窓際の席とか
店長がこだわったブース席
とかではなく必ず角の席。

うちのカフェで好んで座る人は
彼くらいしかいない。

アイスコーヒーと
アーモンドクロワッサンを
味わいながら何か読んでいる。

そんな横顔が美人な彼と
ちゃんと言葉を交わしたのは
この日が初めてだった。