Coffee & Cream (ページ15)

今日:54 hit、昨日:90 hit、合計:61,500 hit

ep. 15 ページ15

昨日の夜
人生最大の失態を犯してから
動悸が止まらなかった。

もうぜぇぇぇええったいに
松村さんには会えない。

いっそのこと松村さんを
うちのカフェから出禁にしようか
なんて考えたくらい。

恥ずかしすぎて穴に入るだけじゃなくて
できるならば冬眠したいとまで思った。

松村さんが私のことを忘れるまで
バイトをお休みしようか
なんて都合のいいことも考えたり。

いつ動悸が治まったのかは分からないし
もしかしたら緊張と罪悪感から
気を失ったのかもしれない。

どちらかは分からないけど
気がつけば朝だった。

今日は遅めの出勤だから
二度寝をしようかと思ってた時
携帯が鳴った。

日曜日の朝はよく母からの電話が
来ていたから誰からかも確認せずに
電話に出る。

『ん”… はい』

「あ、ごめん、起こしちゃった？」

絶対に母ではない声に
頭が０.１秒で冴えた。

電話を確認すれば
“北斗”の字が。

白目を剥きそうになった自分を制して
恐る恐る電話に出る。

『あの、昨日は本当に
すみませんでした！！！
ラジオ中に本当、私、手が
滑ってかけてしまって！！』

「… ラジオ中… ？俺Aちゃんに
ラジオやってること話たっけ？」

白目カムバック。

緊張でいらんこと言ってしまってる。

「あ、いや、聞いてもらえてるんだったら
普通に嬉しいよ？」

『なんか… 本当に色々すみません』

「なんで謝るのよ(笑)
俺嬉しかったんだよ？
連絡先渡してから１週間くらい
音沙汰なしだったから」

仲良くなれてる証なのか
ラフに話してくれてるのが嬉しくて。

電話越しに聞く彼の声は
カフェで聞くよりも耳心地が良い。

男らしく低いんだけど
安心できるような優しさがある。

図々しいのはわかってるけど
ずっと聞いていたいな
なんて思ってしまった。