Coffee & Cream (ページ14)

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ep. 14 ページ14

二人と知り合ってから
リアルタイムで聞いてるラジオは
毎週土曜日の習慣となっていた。

最後まで聞けたことはなけど
どんなにうるさくても
二人の声は落ち着く。

気づけば寝ていて朝になってた
なんてことは珍しくない。

まぁ、二人には内緒なんだけど。

そんな彼らのハイテンションラジオに
影響されてか私も深夜の変なテンションで
悩んでいたのが嘘だったかのように
すんなり松村さんのLINEを追加した。

プロフィールの画像は
逆光で撮られた
松村さんの綺麗な横顔。

“北斗”

友達欄にその名前があるだけで
すごく緊張する。

“Aです。店長にケーキの件
メールしておきますね！”
って打ったはいいんだけど…
連絡するの早すぎるかな？

ーーー♪

「こんばんは、SixTones 田中樹です」

「松村北斗です！こんばんはー！」

『うわぁっ、、！！』

彼の声を聞いた瞬間
LINEのトークページを開いてるのが
すごく恥ずかしくなって。

「北斗、頻繁に呼んでもらえるように
なったんだね(笑)」

「俺の回、評判良かったのよ、多分」

「… さぁ！と言うことで」

ホーム画面に戻ろうとしたんだけど
焦ったあまりに右上の通話ボタンを
誤って押してしまった。

『うわぁぁぁぁあ！！』

手が震えるほど焦る瞬間って
人生そんなに多くないと思うけど
まさに今、手が震えすぎて
電話が切れない。

通話を切らずにホーム画面に
戻っちゃったからコール音が
まだ鳴っている。

「おいおい、無視すんn、」

「…？あれ、北斗、携帯鳴ってない？」

「…うん」

「また、きょもとかじゃない？(笑)
最近マジでそういうの多いからさー」

『ごめんなさい、ごめんなさい！！』

やっと切れた通話に安心しながら
相手に聞こえていないのは承知で
土下座レベルの謝罪を繰り返す。

少しの間だけラジオで沈黙が流れる。

もちろんこの後のラジオは
自分の心臓の音の方が大きすぎて
全然耳に入ってこなかった。