Coffee & Cream (ページ13)

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ep. 13 ページ13

見るからにLINEのIDであろう
その羅列は私個人と連絡を取ろうと
してるって勘違いしそうになる。

… 勘違いだよね？

『あ、あのお電話番号いただければ
お店の電話からお掛けいたします！』

「ふふっ」

萌え袖で口元を押さえて
俯きながら笑った彼。

何度見てもカッコよくて
本当に見惚れてしまう。

「Aちゃんって…
鈍感な方？」

『ど、鈍感…？』

「俺、樹からケーキのこと知ったの
なんか悔しくて。俺の方が長く通ってるし
Aちゃんと仲良いつもりだったんだけど…
だから俺と、友達になってくれないかな…
なんて思ったりして…さ？」

真っ直ぐな瞳で
少し首を傾げて微笑みながら
そう言った松村さん。

ベタな表現かもしれないけれど
その瞬間人生で初めて
心の中で桜の花びらが舞うような
温かい風が吹いた。

あっけなく貴方に惹かれ始めたのは
この瞬間かもしれない。

家に帰っても興奮が冷めなくて。

意味もなく冷蔵庫を何回も開けたり
閉めたりして夕飯作りに
かなり時間がかかった。

腹が減っては考え事はできぬ
ってことで、思う存分
食べたんだけど。

やっぱり意味が分からず
テーブルの上に置かれた
一枚の紙切れを見つめる。

私と仲良くなりたいって
思ってくれたってこと？

それとも最近田中さんが頻繁に来るから
「俺が最初に見つけたカフェなのに」
っていう対抗心的な？

あんなにスタイル良くて
カッコよくてビジュアルが常に
マックスでいい人が私と仲良くなりたい
って…どう言うこと？

どうするべきか…
悩んで悩んで悩んで
を数日間繰り返してたら
気づけば土曜日になっていた。