ep. 7 ページ7
CDショップのバイトが終わって
いつも通りの帰路に着こうと
ドアを開けると
『うっわ…』
雨が降ってきていた。
天気予報では何も言ってなかったから
あいにく傘は持ってきてない。
私雨女？
駅まで少し距離があるけど
走ったらなんとか行けるか？
なんて考えながら
雨の中へ飛び出した。
思ったより距離があって
思ったより濡れちゃって
一か八かで風磨に電話をかけてみる。
ーーー♪
「はい」
『あっ、もしもし風磨？
今暇？』
「暇っちゃあ暇だけど
何、どうした？」
『雨降ってきちゃってさ、傘
持ってなくて…申し訳ないんだけど
迎えにきてくんない？』
相変わらず人混みがすごいけど
振り始めで幸いあまり傘を
刺してる人がいないから
間を縫っていくように歩く。
「俺一応、アイドルよ？(笑)
すげぇ普通の友達みたいに
頼んでくるじゃん(笑)」
『だって私にとって風磨は
アイドルじゃなくて友達だもん』
「うわっ、何、お前めちゃくちゃ
刺さること言うじゃん。
そう言うとこ好きよ(笑)
全然いいけどさ、迎えくらい」
『本当に！？めちゃくちゃたすk、』
ーーーププッ
人混みを避けようと大通りを
外れるとクラクションが鳴った。
車が通るのかと思って
端に寄ったのにまた鳴らされた
クラクション。
ーーーププッ
振り返ると運転席に座って
私のことを手招きしている
見覚えありまくりのヤツ。
は・や・く
って口パクで言われてる。
「A？大丈夫？
今どこにいんの？」
『ちょ、ちょっと待って』
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作者名：あいびー | 作成日時：2024年2月24日 7時
