Why Not？ (ページ20)

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ep. 20 ページ20

『っ、、なんで、
なんでこういうことするのっ？』

あの女性の声を思い出して
色々樹との関係性を想像してしまう。

彼女さんなのかな？

もしかしたら都合のいい
関係なのかも知れない。

大人っぽくて可愛らしい
女性の声だった。

私は大人らしさも可愛さも
どちらも持ってなくて。

可愛げもない愛想もない今の私
戦闘能力低すぎ…

樹から向けられてる好意を
本当は嬉しかったのに
ウザがったりして。

完全にめんどくさい女。

気づいたらまた涙が出ていた。 

涙と一緒に私の気持ちも流されて
泣き終わった後にこの樹への想いが
なくなってればいいのに
なんて思ったりして。

「さっきの人、電話出た人。
あれ北斗の彼女」

『誰だったかとか、、
聞いてないんだけど、』
 

「北斗の彼女、俺の友達なの。
ジェシーと一緒に愚痴聞いてやってたの。
すげぇ酔っ払ってたから間違えて
Aの電話出ちゃって」

正直ホッとしてる自分がいて
安心からか涙がもっと溢れ出てくる。

『だから、聞いてないってばぁ、、』

すると悪ガキみたいに笑った彼。

「ふふっ、俺のこと
大好きすぎて泣いちゃってんだ？(笑)」 

だけど涙を拭ってくれる
指先は優しくて。

そんな人にもっと深く
ハマっていってる自分がいる。

『っ、離してっっ、、』

 
胸を押して突き放そうとするけど
びくともしない。

「俺の話聞いてくれる？」

ソファに向かい合うように座る。

久しぶりにこんな近くで話して
彼をこんな近くに感じて。

『手、離して…』

そう言うと指を絡ませてきて

「俺とAの出会いって
あのホテルより前なんだよ？」

なんて言い出した。