甘えるって。《黄》 (ページ6)

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連絡入れたし、もっかい寝よう……

そう思った時、スマホが鳴った。

画面を見なくても、だいたい想像がつく。

でも、出なかったら出なかったでまた余計に

心配されることを恐れて、

再び怠い身体を少し起こして電話に出る。

『…もしもし』

「A？なんかあった？大丈夫？」

いつもより低いトーンで出てしまった電話。

明日ムリになった、ただそれだけの文章なのに

彼から飛んでくるのは心配の声。

『…大丈夫、何でも無いから。』

心配されるのはありがたい。

でも、会えない理由を言えるわけもなく、

ましてや風邪なんて伝染すわけにもいかなければ、

月イチの情緒不安定な日になんて会いたくもない。

甘えることなんて、眼中になかった。

余計な心配しないで、と普段なら絶対に思わないが、

そんなおかしな方向にイラつきを憶えてしまうのも、

今日だけは許してほしい。