甘えるって。《黄》 (ページ17)

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(Hikaru side)

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買い物から帰ってきて、冷蔵庫に閉まったり

洗濯物を干して、彼女の部屋に戻ると、

泣きじゃくっている姿が目に入って少し焦った。

それからも、

彼女の初めて見ることや初めて知ることばかりで

驚きながらも、余計につらい思いをさせないように

冷静に声をかけたり、背中をさすり続けた。

でも、まだどこか俺に申し訳ない、って

思ってる部分があって、少し解せない。

早く良くなれよ、と思いながら

背中をトントンしていれば、

スっと眠りについた彼女。

風邪を引いたツラさはわかってあげられるけど、

女の子しか分からないツラさは

俺にはわかってあげられない。

言いづらいことかもしれないけれど

少しづつでもいいから、些細なことでいいから、

甘えてほしいし、頼ってほしいな、なんて

頭の中で考える。

彼女の手を握って、寝顔を見つめる。

『…早く良くなりなよ』

再び思ったその言葉を今度は口にする。

それから、彼女がいつ起きても大丈夫なように

急いでシャワーだけ浴びて彼女の元へ戻る。

額に浮かんだ汗を拭いてあげたり、

冷却シートを変えたり、

時々スマホを弄ってメンバーに返信したり。

一晩中付きっきりだったけど

彼女の隣にいられるだけで、俺は幸せだった。