甘えるって。《黄》 (ページ14)

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ハンカチを取り、

額に冷却シートが貼られ、ひんやりとした感覚。

そのままずっと背中をさすってくれていた。

「……大丈夫？ちょっとは落ち着いた？」

『ん…ごめんね…迷惑かけて…』

「迷惑なんかじゃないよ？ …1人でツラかったな。

ごめんね、すぐ来てあげられなくて。」

『照くんは、悪くないしっ…私が…っ』

彼の手の温もりで、落ち着いてきた涙も

照くんに謝らせてしまった申し訳なさで、

復活してしまった。

「泣かないで〜…苦しくなっちゃうよ？」

心配そうに眉を下げる彼の表情。

何も返すことが出来ないまま、涙が落ち着くまで

彼の温もりに身を任せる。

『…っった…』

涙が落ち着いてこれば、次は腹痛に耐える時間。

自分でお腹をさすれば、私の手に彼の手も重なった。

「お腹痛い？｣

『ん…いたい…』

「他にも、どこつらい？なんでもいいから、」

さすってくれる場所を腰に変え、

少しでもラクになるようにと、優しさが身に染みる。

『ううん…大丈夫…いてくれるだけで充分』

でも心配かけたくなくて、

でも隣にいてくれるのはすごく嬉しくて。

いてくれるだけで充分。

そう伝えたのに、彼の表情は曇ったまま。

「A、大丈夫使うの禁止。

俺に気なんて使わなくていいから、ね？」

優しくかけてくれたその言葉を聞いて、

頼ってもいいのかな、なんて思った。

『…私、めちゃくちゃめんどくさいよ…？』

「全然良いよ？」