片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…6 ページ6

You side









山田くんと別れてから、カゴの中を見る。
変な物とか、入ってないよね。

…うん、大丈夫。

キャベツと人参と鶏肉しか入ってない。







大貴「オムライス！」



A「え、何！」



大貴「今日の夕飯、オムライスね」






必要なものをポイポイとお兄ちゃんが押してくれているカートのカゴに入れる。

…ケチャップあったっけ。



まだ顔が熱を持っていて暑い。


私…というより、私たちにとって彼は手の届く存在なんかじゃなくて、なんか……

アイドルみたいな。


サッカー部の次世代エース。頭脳明晰。

完璧高校生。








大貴「え、A顔赤いよ？熱？」





それに対し我が兄は鈍感で、きょとんとこっちを見つめながら私のおでこに手を当てて首を傾げる。






大貴「熱くはないんだけどなぁ、」



A「いや、だ、大丈夫だよ」



大貴「無理すんなよ」



A「わかってる」








風の噂で聞いた『山田くんは女遊びが激しい』なんて言葉を知っても、未だにドキドキしてる私が嫌い。


自分の気持ちを素直に受け止められない自分はもっと嫌い。







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