片思いエスプレッソ -Kei.I-

milk…15 ページ15

You side








昨日一晩考えて出した答え。

そうだ、会わなければいいじゃん！

3年と2年は校舎が違うし、生徒会室にさえ近づかなければ大丈夫。それに今日は金曜日。今日さえ乗り越えれば……




ふぅ、とひと息吐いて制服のネクタイをキュッと結んで家を出た。

私の高校は原則男女ネクタイ。ほんとのことを言っちゃうと私がこの高校に入学した理由はこの制服だったりする。








春香「わぁ、すごいね。」



A「そ、だね 」






春香の視線をたどるとやっぱり学年一人気者の山田くんの姿。私のモノでもないはずなのに、彼が女の子に囲まれてると胸がキュッとなる自分が悔しい。







涼介「あ、A」




春香「ほらほら、お呼び出しだよ？」







春香はニヤッと笑い、手を振る彼を指さす。
もちろんその周りにいた女の子は「なんでこいつ」みたいな目で見てくる。

やだやだ、やめて。


でもピンク色の淡い、その気持ちには勝てっこない。







A「なに？」




涼介「今日一緒に帰らない？」



A「あ………うん…！」







『俺、部活あるから待ってて』
そう言って微笑んで、走り去っていく彼は…うん、かっこいい。

自分の気持ちに素直になるのも悪くないかも。
そう思えた。







.

milk…16→←milk…14

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す