300話 ページ9
時を少し戻して、犬夜叉一行は。
琥珀が山犬を倒した少し後に来た犬夜叉一行は、村人から、珊瑚と同じような格好をした少年が山犬を倒したのだと聞いた。
犬夜叉とAが言うには、この山犬は普通の山犬だという。
そして珊瑚が言うには、山犬の頭に妖怪が憑いていた跡があるという。
「恐らく、飛頭根……」
「飛頭根？」
「根っこの妖怪だよ。こいつらの餌は……人の血だ」
「飛頭根はここにはいない。琥珀は仕留め損ねたのか？」
「かもな……」
「なら、急いで琥珀を追いかけよう！」
犬夜叉一行は村を後にした。
琥珀の匂いを追ってどんどん山奥に入っていき、やがて夜中になってしまった。
かごめ達に疲れが見え始め、犬夜叉はいったん休憩する。
火をおこし、Aが川で捕まえて来た魚を焼いて食べた。
もう夜も遅いし、寝ようという事で皆落ち着いた。
特にかごめ、弥勒、珊瑚の3人は生身の人間だ。
Aが瞬きした瞬間、すぐに眠りに入ってしまった。
(余程疲れてたんだろうな。すぐに寝ちゃった……)
Aも相当疲れていたのだが(まだ本調子じゃないし桜も瘴気が抜けきっていない)、3人の寝顔を見ると疲れが吹っ飛んだ(きがした)。
しかしそれも一瞬で、Aの耳がピクッと動いた。
血の匂いがしたからだ。
犬夜叉を起こし、真っ先に血の匂いへ駆けて行く。
その血の匂いの傍にある琥珀の匂いと四魂の欠片の気配。
(まさかまさか……。お願いだからこの嫌な予感当たらないでよ！)
草をかき分け、木の枝を折り、月を背に駆けて行く。
草原を抜けると、1軒の家があった。
地面には少年と琥珀。
琥珀の方が少年に馬乗りになっている。
手には鎖鎌。これではまるで――。
「琥珀！ やめろ！」
(違う……。俺は只……)
「琥珀……」
「珊瑚ちゃん」
「琥珀、お前……また……」
珊瑚の目には涙が溜まっていた。
琥珀の頭の中は混乱していた。
(姉上……違う。俺は、ただ……)
琥珀の右手に力が入る。
その時、太一の体が浮き、Aに向かって鉈を突き刺した。
「ぅぐっ……！」
「な……！」
「Aちゃん！」
「あ……」
「琥珀……お前、どこへ……」
「琥珀！」
琥珀は太一の父親に約束した。
必ず、無事に連れ戻すと。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 神楽が死んじゃいましたからね。今思えば神楽も神無も可哀想ですよね (2017年9月3日 9時) (
レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 次は神無か〜 (2017年9月2日 21時) (レス) id: 84688a4b7b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» どうやって夢主を馴染ませていこうか、まだあれこれ頭を悩ませています。更新ペースが遅くなるかもしれませんがお付き合いくださいっ (2017年8月23日 8時) (レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - もう、完結編なのかクライマックス楽しみにしています！ (2017年8月23日 0時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月22日 16時
