337話 ページ46
裂いたのは体ではなく尼頭巾。
布が落ち、胸元が露になった。
尼の胸元にあるのは猫の手。
それを見た犬夜叉とA以外の四人は、驚いた。
「やっぱりなぁ。人間のツラしてた時にはなかった臭いが、懐から漏れてたぜ」
「だからどうした」
猫の手はゆっくりと尼の体の中に入っていく。
Aは桜を構える。
だがその腕を、かごめが掴んだ。
「やめて！」
「かごめちゃん！？」
「尼さん……まだ生きてるの！」
「何だと！？」
もう1度尼に視線を戻すと、尼は笑った。
「くくく……尼ごと切れ。真っ二つにな」
最早ここまで来たら、Aでは何もできない。
Aの刀、焔桜牙では、尼ごと切ってしまう。
それはどうしても避けたかった。
「姉貴、下がってろ」
犬夜叉が1歩進み出て、鉄砕牙の先を尼の胸元に押し付ける。
(切るのか！？)
全員がそう思った時。
「てめえ1人であの世に行きやがれ！」
鉄砕牙は竜麟の鉄砕牙になり、猫の手の妖力だけを吸った。
尼は倒れ、気絶した。
Aがそっと抱きかかえ、静かに息を吐いた。
「生きてる。無事だ！」
｡:*+゜゜+*:.｡.*:+☆｡:*+゜゜+*:.｡.*:+☆
「色々と、ありがとうございました」
尼は深々と頭を下げ、犬夜叉たちに礼をする。
「いえ、大したことではありません。しかし、1つ気がかりなことは、貴女をこの寺に残していくことです」
弥勒が尼の手を取った。
尼はさほど興味がないようで、嫌がることも嬉しそうに顔を染めることもしなかった。
「法師さま、見境ってもんがないの？」
珊瑚の手が弥勒の耳に伸び、弥勒は引っ張られる。
尼はもう1度深くお辞儀をした。
「尼さん、頑張ってくださいね！」
「はい。ありがとうございます。あなた方も、お気を付けて」
A達は踵を返して、寺を去っていく。
誰もがすがすがしい顔をしていた中、犬夜叉だけが微妙な顔をしていた。
(まだ、微かに熱を持っていやがる……)
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 神楽が死んじゃいましたからね。今思えば神楽も神無も可哀想ですよね (2017年9月3日 9時) (
レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 次は神無か〜 (2017年9月2日 21時) (レス) id: 84688a4b7b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» どうやって夢主を馴染ませていこうか、まだあれこれ頭を悩ませています。更新ペースが遅くなるかもしれませんがお付き合いくださいっ (2017年8月23日 8時) (レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - もう、完結編なのかクライマックス楽しみにしています！ (2017年8月23日 0時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月22日 16時
