336話 ページ45
「無駄だ。この部屋には結界が張ってある」
「ッ！」
いつの間にか、かごめの周りを猫目の尼が囲んでいた。
かごめは指1本動かせなくなっていた。
尼はかごめに近づき、頭を掴む。
「食ろうてやる……」
もうだめかと思われた時、かごめの呪縛が解かれた。
見ると、雲母が周りの尼を蹴散らしていたのだ。
「いいぞっ雲母。残りも蹴散らして……」
しかし、尼が雲母を一睨みすると、雲母の変化が解かれた。
「き、雲母……！」
「くくく、齢三百年のわらわに比べれば、そのような猫又など子猫同然」
最早成す術がないと判断したかごめ。
先程とは違う障子を開けようとする。
が……。
「あっ！」
「言っただろう。この部屋には結界が張ってあると」
尼の爪が、かごめの二の腕を切り裂いたのだ。
幸い傷は其処まで深くないが、血が溢れ出してきた。
傷口を押さえ、障子にもたれかかる。
「助けて……下さい」
(えっ！？)
今一瞬、かごめは自分の耳を疑った。
今、尼は何と言った？
「貴女は……？」
「私……は」
尼の顔が人間の顔に戻り、涙を流していた。
思わず、かごめは息を呑んだ。
「知ってどうする……。これから食われる身が……！」
制服の腕の部分が血で赤くなるころ、犬夜叉の声が聞こえた。
「かごめーッ！」
「犬夜叉！」
「結界破りの赤い鉄砕牙じゃ！」
天井から犬夜叉が、結界破りの赤い鉄砕牙で結界を切り裂いて入って来た。
珊瑚と弥勒、Aと続いて入ってきて、全員が尼を見る。
「お前、尼の体を乗っ取ったのか？」
Aは尼を
「この尼はわらわを救おうと、わらわの躯に近づいた。じゃから逆に取り込んでやった。この体は絶好の隠れ蓑じゃ」
「救ってくれようと、したのにか！？」
珊瑚が飛来骨を構え、唇を噛む。
尼は喉の奥でクツクツと笑った。
「わらわは救いなんぞ求めてはおらなんだ」
「ふーん……」
今まで黙っていたAが犬夜叉を飛び越え、尼の胸元を裂いた。
「ッッ！」
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 神楽が死んじゃいましたからね。今思えば神楽も神無も可哀想ですよね (2017年9月3日 9時) (
レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 次は神無か〜 (2017年9月2日 21時) (レス) id: 84688a4b7b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» どうやって夢主を馴染ませていこうか、まだあれこれ頭を悩ませています。更新ペースが遅くなるかもしれませんがお付き合いくださいっ (2017年8月23日 8時) (レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - もう、完結編なのかクライマックス楽しみにしています！ (2017年8月23日 0時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月22日 16時
