326話 ページ35
「んで、どうする」
犬夜叉の足の下にいる七宝は、犬夜叉の足の指に襟を掴まれ、持ち上げられた。
「こいつお前のこと騙そうとしたんだろう。殺すか、殺さないか。てめぇで決めろ」
Aがムジナを睨みつけると、ムジナは観念したように座り込んだ。
「私は、七宝の優しさに甘えていたのかもしれん。切るなら切れ。それで気がすむのなら」
ムジナの目には涙が浮かんでいた。
それを見た七宝は、首を振る。
「ムジナ、ここはおらに任せて、お前は逃げろ！」
「七宝……」
(この涙で、すべてを許す！)
七宝はムジナに背中を見せ、犬夜叉と対峙する。
「さ、行け」
このまま立ち上がって逃げるのか、と思われたが、ムジナはニヤリと笑い、七宝の喉元に刀を宛がい、こういった。
「半妖、その化け刀2つをよこせ」
「うわ、汚い奴」
Aのこめかみに青筋が浮かぶ。
奈落ほどではないが、ムジナも相当汚い奴だ。
犬夜叉は鉄砕牙を鞘に納め、拳を掲げた。
「愚か者！ か弱いおなごを殴れるのか！」
「ぶはっ」
最早高みの見物と化しているAは、思わず噴き出した。
「か弱いだぁ？ ふざけんな！」
犬夜叉は怒りっぽく、Aは笑いをこらえながら言った。
犬夜叉の拳がムジナに直撃し、七宝の体はその衝撃で吹っ飛びAの胸の中に。
ムジナはというと、少女の変化が解けて狸の様な妖怪になっていた。
「おのれ……。い、いつから……」
「けっ、最初からおっさん臭いんだよ、てめえはよ！」
(おっさん臭い……！？)
Aの胸から地面に降り立った直後の七宝。
膝から崩れ落ち、地面に手をつく。
(そうか、おとうの臭いだと思っていたのは……本人の臭い！)
七宝の口許が弧を描く。
目は、全てを諦めたような目になっていた。
「んで、七宝」
「どーする。切るか、切らないか」
2人の質問に、七宝は静かにこう答えた。
「なんかもう、どうでもいい……」
Aは七宝の背中をぽんぽんと叩き、犬夜叉の横に立つ。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 神楽が死んじゃいましたからね。今思えば神楽も神無も可哀想ですよね (2017年9月3日 9時) (
レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 次は神無か〜 (2017年9月2日 21時) (レス) id: 84688a4b7b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» どうやって夢主を馴染ませていこうか、まだあれこれ頭を悩ませています。更新ペースが遅くなるかもしれませんがお付き合いくださいっ (2017年8月23日 8時) (レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - もう、完結編なのかクライマックス楽しみにしています！ (2017年8月23日 0時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月22日 16時
