318話 ページ27
(蛇くせぇ……。巣穴が近いってことか！)
肉の塊を追いかけた鋼牙が見たものは、魍魎丸らしきものの腕。
大量の大蛇族の死体の上に乗っている巨大な腕。
その腕の尺骨の部分に目が現れ、真っ直ぐに腕は鋼牙を狙った。
上腕二頭筋と上腕三頭筋の間のところに亀裂が入り、割れた。
それはまるで巨大な口の様になり、鋼牙に襲い掛かる。
「俺の足の欠片を狙ってるのか。へっ、上等だ。捕まえてみな！」
素早さで言えば鋼牙の方が上だ。
真っ直ぐに突っ込んできた腕を避けた鋼牙。
腕は地面に噛みついた。
すると、噛みつかれた箇所が溶けた。
「大蛇族の毒か！」
それを見た鋼牙はますます掴まるわけにはいかないと思い、逃げ回る。
だが、突然足が動かなくなった。
(なっ……！)
一体どうすればいいのか。
焦っていると、鋼牙の足が触手の様なものに絡めとられた。
万事休すか。
そう鋼牙が思った時。
「鋼牙君！」
かごめの矢が鋼牙の足にまとわりついていた触手を浄化した。
「金剛槍破！」
すぐに犬夜叉は金剛槍破を撃つ。
だが、腕は逃げてしまった。
「チッ……逃がしたか」
「あれ、魍魎丸の腕だな。あいつ、今度は何考えて……」
Aが急に喋るのをやめるのを不思議に思った犬夜叉は、Aの方を向いた。
犬夜叉の眼前に迫るは鋼牙の拳。
Aは勘がいいのですぐに避けたが、犬夜叉はそこまで勘が良くないせいで避けることはおろか気付くこともできなかった。
鋼牙の拳が犬夜叉の頭に直撃する。
「この野郎が」
「あぶねー」
「何すんだよてめぇ逃げられちまったろーが」
「やかましい。腰抜かしてへばってたのはどこのどいつだ！」
「犬夜叉、それは違うぞ」
「あ？」
犬夜叉は珍しく、姉が鋼牙を庇ったのかと思い、拳を構えてAに突進しようとした。
「犬夜叉、おすわりっ」
「鋼牙、あの時お前は足が動かなくなった。違うか？」
Aの、いつもとは違う真剣なまなざしに見つめられ、鋼牙は息を呑んだ。
「あ、あぁ、そうだ。何故か急に足が動かなくなっちまった」
「それは、翠子の意思が働いたのよ」
「翠子？ 誰だそりゃ」
聞き覚えのない名前に、鋼牙は頭を掻く。
事情を説明すると、鋼牙の顔には淡い怒りが浮かぶ。
「けっ、大昔の巫女だか何だか知らねぇが、何だってそんな事……」
納得がいかないような顔をした鋼牙は、はあ、と大きくため息を吐いた。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 神楽が死んじゃいましたからね。今思えば神楽も神無も可哀想ですよね (2017年9月3日 9時) (
レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 次は神無か〜 (2017年9月2日 21時) (レス) id: 84688a4b7b (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» どうやって夢主を馴染ませていこうか、まだあれこれ頭を悩ませています。更新ペースが遅くなるかもしれませんがお付き合いくださいっ (2017年8月23日 8時) (レス) id: fac1f46ec3 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - もう、完結編なのかクライマックス楽しみにしています！ (2017年8月23日 0時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月22日 16時
