202話 ページ9
ただ今のAの心境を簡単に説明してしんぜよう。
『私只の人間の17歳程度の女の子じゃないかー……』
腕力はそこそこあるとはいえ、今の状態では犬夜叉や奈落どころか蛮骨たちにも負けてしまう。
Aの心は荒れ狂っていた。
座り込み、頭を抱えて顔面蒼白になって。
「あああぁぁぁぁあ……」
でも、結界の外に出れば蛮骨たちに会ってしまう。
それだけは絶対に避けたかった。
Aは、七人隊の復活を望んではいなかった。
寧ろ、あのまま静かに眠っていてほしかった。
七人隊を起こした奈落も許せないが、奈落に従う七人隊の皆も許せない。
(でも今の自分には、皆に渇を入れる力すらない)
妖怪の力がどれだけ強いか、改めて実感した感じだった。
Aはもう1度大きなため息を吐いた。
「A……」
「うおっ神無」
気配がないから全然気づかなかった。
心臓が口から飛び出すかとも思った。
まだドキドキ言っている心臓を宥めつつ、Aは立ち上がった。
「どーした？」
「来て」
神無はまた、歩き出した。
1人残されたAは、数秒固まった後、神無を追いかけた。
神無は琥珀の横で止まり、Aもその横に立つ。
人間の姿になると体力もなくなるのか、Aは膝に手をつき、肩で息をしていた。
チラ、と視界の隅に映った黒い何か。
白霊山の結界と霧のせいでよく見えないが、車？ みたいだ。
(いやいや、は？)
再びAの頭は大混乱中。
色々な疑問と戦っていると、『それ』は目の前前で迫って来た。
そこでAは、自分の目を疑った。
でも信じられなくて、くるりと踵を返し、洞窟へ向かって歩いていく。
「どこに行くのですか」
「お前初めて喋ったな、琥珀」
琥珀に服の裾を掴まれ、体の均衡を失ったAは、後ろに1歩下がった。
「いや、何で私も一緒にお迎えしなきゃなんねーの」
「さあ」
「わからんなら離せ！」
琥珀とギャーギャー言ってる間に、『それ』は到着した。
「よお琥珀。何だ、その白いガキと黒い桃色」
「いや黒い桃色って何だよ！」
Aは振り向いて突っ込んだ。
突っ込んでから数秒後、Aは自分の首を絞めたくなった。
一番前に座っていた少年が立ち上がり、驚いたような表情をして、Aを指さし、叫ぶ。
「A――！？」
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
