234話 ページ41
犬夜叉が風の傷を撃つと、白童子の周りに結界が張られた。
「あのガキ本当可愛くねーな」
「いや、それ今言う事じゃないと思うわ」
「え、でも本当の事だし」
呆れたかごめがAの肩に手を置き、首を振る。
「お前らは本当に緊張感ねえな！？」
犬夜叉は1人前に出て、空を見つめていた。
もう白童子の姿は見えない。
「……何しに来たんだろう。あいつ」
「さあ？」
「まあなんにせよ、あいつは奈落の分身か何かだろ」
桜を鞘に収め、Aも空を見上げる。
(奈落と似てはいるが、なーんか奈落とは違う気がするんだよなー)
「姉貴」
「ん？」
「さっき……何を考えてた？」
「考え事？ 私が、いつ？」
わざとらしい声音とわざとらしい態度に、犬夜叉の眉根がグッと寄った。
犬夜叉は頭を乱暴に描き、踵を返してかごめ達のところに戻っていった。
「え、聞いといて無視っ！？」
「うるせー。姉貴とは当分口きかねえ！」
「えー！？」
犬夜叉は最早振り返りもしない。
残念に思う反面、ま、いいか、とも思った。
「犬夜叉と口きかないなんて耐えられないやー。仕方ない。犬夜叉の機嫌が直るまで殺生丸のところにでも行くかぁ」
Aも踵を返し、跳ぶ準備をする。
殺生丸の様に飛ぶことはできなくとも、人間の何倍もある跳躍力を持っている為、移動は容易い。
ついでに言えば、犬夜叉よりも高く跳べる。
「じゃっ」
「ま、待て！」
飛んだ瞬間に足を掴まれ、(また)顔面強打した。
(おいおいまじかよ。いってぇ)
鼻を押さえながら上半身を起こすと、犬夜叉も起き上がる気配がした。
振り向いて犬夜叉の顔を見ると、犬夜叉の目許に、すごく分かり辛いが涙が溜まっていた。
(え、泣いてる！？)
「俺が悪かったよ。頼むから、殺生丸のところにはいくな」
「……はいはい。わかったから、手を離せ」
犬夜叉の頭をそっと撫で、立ち上がってAは一足先にかごめ達のところに戻る。
「あーッAちゃん、鼻すっごく赤くなってる！」
「あー、思いっきりぶつけたからな」
頬を掻きながら苦笑するA。
その数歩後ろで向こうを向いたまま固まっている犬夜叉。
実は今の犬夜叉の顔は、すごく赤くなっていたりするのだ。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
