232話 ページ39
犬夜叉たちが弥勒に追いついたころには、傷だらけの弥勒が珊瑚を抱きかかえているところだった。
「大丈夫か？」
「生きてはいますし、大丈夫です」
「とりあえず手当てしてやる。ほら座れ」
かごめから予め包帯と絆創膏はいくつか貰って持っていた。
頬には絆創膏、腕のざっくりいっちゃってる傷は包帯を巻いた。
弥勒は心身ともに疲れ切っているようで、手当てが終わってAが、よし、と呟いた瞬間、Aの胸に倒れ込んだ。
吃驚したAは引っ叩こうと手を振りあげるが、弥勒が寝ていることに気付いて、息を吐いた。
「今日だけだかんな」
弥勒を横抱きにし、小屋へ戻る。
それ見て唖然としている皆に、Aは気づかなかった。
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次の日。
お堂で気絶していた若菜の傍にずっといた篠助は、目を覚ました若菜の肩を掴む。
篠助は、今度こそ1人にはしないと告げ、力強く若菜を抱きしめた。
犬夜叉たちがいる小屋に来た篠助と若菜は、犬夜叉たちにお礼を言い、何度も頭を下げた。
「今度こそ、若菜さんを1人ぼっちにさせないようにね」
篠助の肩に手を置き、微笑んだAに篠助は元気よく返事をした。
「若菜さんも、お元気で」
「Aさんも、皆さんも。本当にありがとうございました！」
若菜と篠助はもう一度頭を下げ、踵を返した。
小さくなっていく2人の背を見つめるAの口許は緩んでいた。
「いいなあ……。2人で慎ましく暮らすんだろ？ 私ももう幸せに平和に暮らしてぇー」
「そんな相手いるの？」
「んー居たことには、居たねぇ」
Aは目を閉じ、瞼の裏に蛮骨の顔を思い浮かべた。
もう、どんなに泣いても喚いても、戻っては来ない。
「居たってことは、死んじゃったの？」
「うん。私の目の前でね」
「……ッ。ごめん」
「謝らなくていいよ。別にかごめちゃんは何もしてないじゃん」
「そうだけど……」
「おーいかごめ、姉貴。行くぞ」
犬夜叉の声が後ろから聞こえた。
2人は振り返り、はーい、と返事をする。
「じゃ、行こうか」
「うん！」
2人は仲良く手をつなぎ、犬夜叉たちの元へ駆けて行く。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
