230話 ページ37
誰よりも早く眠りについたAは、夢を見ていた。
蛮骨が殺されたあの日から、寝る度に夢を見るようになっていた。
七人隊と過ごした日々の夢を。
起きたらいつも泣いている。
目からとめどなく溢れる涙は止まることを知らない。
(くそ……)
誰かこの涙を止める方法を教えてくれ……。
一杯水を飲もうと起き上がった時、珊瑚が隣にいないのに気づいた。
辺りを見回すと、珊瑚が戦闘服に着替えて、髪を括っているところだった。
「珊瑚ちゃん……？」
「しっ」
障子のところまで四つん這いでいき、破れた障子の隙間から外を見る。
外には、村の女の人たちが歩いていた。
「なんじゃありゃ」
「わからない……。後をつけてみるよ」
「気をつけてね」
珊瑚は1つ頷いて、雲母と共に出て行った。
かごめはAの服を引っ張り、心配そうな顔を浮かべる。
「小半刻待って、返って来なかったら犬夜叉と七宝もたたき起こして珊瑚ちゃんを追おう」
「……えぇ」
小半刻待っても珊瑚は帰って来なかった。
Aは桜を腰に差し、障子を開けた。
かごめもAの後を追って、弓を持って行った。
「犬夜叉！」
「七宝、起きろ！」
2人を起こし、事情を説明して目を覚まさせた。
犬夜叉の話によると、弥勒も帰って来ていないという。
2人を救出しに、4人は小屋を後にした。
まずは珊瑚だ。
しかし珊瑚の匂いを追ってきたものの、途中で珊瑚匂いが途切れてしまっている。
それに、あれだけたくさんいた女の人たちも消えている。
「いったいどこに……。あれだけの人数がいっぺんに隠れるなんて……！？」
石の上に降り立った瞬間、足を掴まれ引きずり込まれそうになる。
何とか脱出できたものの、水の中から先程の女性たちが出てきた。
「さっきの女の人！？」
「水から上がって来たぞ！」
「何で浮いてんの！」
Aは桜に手を添えて、気付く。
相手は人間だ。傷つけるわけには行けない。
(しかも口から邪気！)
体内に何かが入っており、それがこの女の人たちを操っているのだろう。
問題は、どうやって目を覚まさせるか、だ。
女の人たちを傷つけずに、体内の中に入っている『何か』を出す。
(お腹殴ったら出ないかな……？)
そんな勇気などないが……。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
