197話 ページ4
犬夜叉一行が丑寅の方角に向かっていた頃、鋼牙も丑寅の方角に向かっていた。
そこで、低級妖怪に襲われている狼の爺さんを見つける。
妖怪を追っ払って助けるが、助かりそうになかった。
どうしてここにいるのかと聞くと、住処から逃げて来たのだという。死人と墓土の匂いがする亡霊が襲ってきたのだと。
「そいつは、わし等の住処の、さらに北の方からやって来た。あれは人間じゃない。亡霊だ」
気をつけろ、と掠れた声で言った後、爺さんは静かに逝った。
鋼牙は簡単な墓を建てた後、手を合わせて立ち上がった。
「こ、鋼牙……」
「行くっきゃねえだろ」
鋼牙は丑寅の方に向かって走っていった。
再び銀太と白角を置いて。
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犬夜叉一行も、鋼牙より遅れて丑寅の方角に向かっていた。
正確に言うと、鋼牙の匂いを追っていた。
「鋼牙の匂いか、これ」
「あぁ。これだけムカついて胸糞悪い匂いはあの痩せ狼しかいねえ！」
「どんな匂いじゃ」
「ん？」
ふと、土手の下の方を見ると、村人たちが数人集まってざわざわしていた。
Aはすぐに飛び込んでいき、どうしたのか聞いた。
初めは妖怪だと言われ少し怖がられたが、かごめ達が説明してくれて誤解を解いてくれた。
「十数年前の事じゃ。ここより東の地方で、『七人隊』という、7人で100人の働きをするという傭兵集団が居ったんじゃ。彼らは強かったが、殺し方が酷すぎる。妖怪や人間は尚の事、女、子供にも容赦はしない」
「酷い……」
「遂には城から抹殺命令まで出たのじゃが、七人隊は逃げ続けた。東の地からここ、北の地にまでやって来た。じゃが、とうとう追い詰められて首を落とされて殺されたのじゃ」
Aは、この事件の一連全てを知っている。
元七人隊の生き残りで、生き証人となっているのだから。
(七人隊の皆はやりたい放題にやって来た。楽しんで人を殺していた。それは許される事じゃない。でも……)
Aは目を伏せ、あの時を思い出していた。
「そういえば、七人隊は皆男で人間なのじゃが、1人だけ女の妖怪が混ざっていたという話じゃ」
「えっ何で？」
「さあ……。もう十数年前の事じゃからなあ。ハッキリとは覚えておらんが、その妖怪は七人隊を見捨てて、1人で逃げたんじゃ」
「仲間を見捨てるなんて酷いわ！」
(違う……。見捨てたんじゃない！)
叫びたいのを我慢し、Aは拳を握り締めた。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
