221話 ページ28
「てめえのやる事にはほとほと反吐が出るが……ここまで腹が立ったのは初めてだこの野郎!!」
欠片が全て集まった時、奈落に新しい体ができた。
その新しい体を間髪入れずに裂いたのは、Aの一太刀だった。
「てめえだけは、本当に許さねえ。私の手でぶっ殺してやる。今すぐ蛮骨の後を追って死にやがれ!!」
もう一度高く振り上げた桜を振り切る前に、Aの体は吹っ飛ばされた。Aの体を吹っ飛ばしたのは、奈落の触手。
狙ってか偶然か、犬夜叉に体当たりさせられた。
「姉貴、大丈夫か」
「あぁ……クッソ……ッ!」
Aの体を安全な場所に置いてから、犬夜叉は奈落に向かった。
風の傷を撃つが、当然の如く結界に弾かれる。
……と思っていたが、違った。吸収されたのだ。
「たまには味わってみるか? 自分の風の傷を……」
「なっ……ッ!」
次の瞬間、犬夜叉の風の傷が帰って来た。
それを避けた犬夜叉だが、安心するのはまだ早い。
「うわっ!」
「きゃっ」
「か、かごめー!」
「ッぐ……ッ!」
風の傷が収まらない。
かごめと七宝、Aを守りつつ、犬夜叉は奈落を見た。
「犬夜叉、貴様の風の傷を、わが妖気で絡めとった。もう風の傷は止まらぬ。貴様らを細切れにするまではな」
奈落はそれだけ言い残すと、逃げる様に離れて行った。
だが途中で何を思ったのか、引き返してきた。
「何で戻って来た?」
犬夜叉が言葉を発したのと、Aの体が浮いたのは、ほぼ同時だった。
「姉貴!?」
「いやあああ人攫いいい!」
伸ばした双方の手は空を切り、犬夜叉の瞳には焦りの色が、Aの瞳には恐怖の色が見えていた。
あっという間にAの姿は見えなくなり、犬夜叉は奥歯を噛んだ。
それと同時に、奈落の足元から鋼牙が落とされた。
下の空洞へと飲み込まれていく鋼牙を見て、かごめは犬夜叉の服を引っ張る。
「犬夜叉、まずは鋼牙君を助けなくちゃ。四魂の欠片は足に入れられたままよ」
「……あぁ」
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「おいゴルァ!いつまで私をぶら下げとくつもりじゃい! つーかまた四魂の欠片大きくなったな!」
「そうか。Aも四魂の欠片が見えるのだったな」
「何でかは知らんけどな!」
Aは既に気分が悪くなり、抵抗もせずぶら下がっているだけだった。
奈落の触手は別にAを絞めつけている訳ではなかったが、しんどいのも事実だった。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか? (2017年8月14日 9時) (レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!! (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作成日時:2017年8月8日 20時