196話 ページ3
子猿に事情を聴いたかごめとAは、村に帰って来ていた。
(『湿っぽくて、野菜臭い場所』ねえ……)
子猿たちは畑しかないというが、どうも畑じゃない気がする。
しかし、これだけ頭を悩ませても畑以外の場所が思い浮かばないAは、畑の土をつまんでみる。
「やっぱり畑しかねえんじゃねーのか？」
「やはりそうじゃろうか……」
「よしっ。村中の畑を掘り起こすぞ！」
犬夜叉は石を手にくっつけたまま、走り出そうとした。
「あんなこと言うとりますが」
「犬夜叉、おすわり」
村長の家の縁台に座っていた弥勒、珊瑚、Aは、同時にため息を吐いた。
Aに至っては飽きており、縁台の上に寝転がった。
「ん？」
ふと視界に映った光。
今は昼間なのに、どうして、どこから光が漏れているのか。
体を起き上がらせそこを見ると、光っていたのは漬物だった。
「これ、つまらないものですが……」
「これ、どこで作ったんですか？」
「これは、猿神様の光じゃ！」
「作ったところに案内してください！」
「あ、は、はい……」
女の人に案内され、着いたのは土間だった。
土間も明るかった。
よく探すと、漬物石が光っていた。
「あぁっ猿神様！」
「こりゃ！ 猿神様を漬物石なんぞに使うとは何事じゃ！」
「猿神様……？」
「遅いぞよー」
急に漬物石から猿神が出てきた。
急に出てきて驚いたが、落ち着いてみれば特に驚くものでも何でもなかった。
「猿神様ー」
「野菜臭かったぞよー」
犬夜叉の手についた石を取ってもらい、Aは猿神に話しかけた。
何か、禍々しい邪気の塊のようなものを知らないか、と。
猿神は頷き、知っていると答えた。
「数日前の事じゃ。この村の上空に禍々しい邪気が現れたぞよ」
「奈落か？」
「さあ……」
「ワシは意識だけでその邪気を追ったぞよ」
「それで、その邪気はどこに？」
「消えたぞよ」
猿神は間髪入れずに答えた。
「あれは遠ざかったりどこかに行ったのでもない。いきなり消えたぞよ」
Aの頭の中は、ただいま大混乱中だった。
奈落の様な邪気の塊が、突如消えるなんてありえないことだからだ。
「奴は丑寅の方角に向かて行ったぞよ」
「北東か。ありがとう猿神様」
「気をつけられよ。あれは生半可な気持ちでは片づけられないぞよ」
「ありがとうございます」
Aは猿神に一礼し、その場を去っていった。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
