205話 ページ12
「あのね、1つ言っとくけど、奈落はお前らを利用してるだけなんだぞ。例え犬夜叉と鋼牙と殺生丸ぶっ殺したとしても、いずれは奈落がその首の欠片取って……お前らを、骨に返しちまうんだぞ？」
「俺らの人生って生前も今もあんま変わってねーじゃん」
「あのねっ……」
「でも」
蛮骨は先程のおちゃらけた表情とは一変し、真剣な表情になった。
それをみたAも、騒ぐのをやめた。
「あの時とは違うんだよ。俺には守りたいものができた」
蛮骨はAの髪をひとすくい掴んで、口づけをした。
いつもは美しい銀髪。
けれど、今だけは美しい黒髪。
「殺されてから十数年、ずっと不安だった。でも、俺はもう死んだ。諦めるしかないと思ってた時、奈落が俺にもう一度機会をくれたんだ」
蛮骨の目は真剣で、Aは逃げることも目を逸らすこともはぐらかすこともできなかった。
ただ、同じように見つめ返すだけ。
「期間限定の命でも構わない。俺は、俺のやりたいようにやって、大事なもんを守るだけだ」
「な……にそれ」
「あー、やっぱあれか。他に大事な人ができましたーって奴か？」
蛮骨の先程の真剣な顔はどこへやら。
1つ瞬きをすると、もう悲しそうな顔になっていた。
「ばっ……バカにすんなよ。私の心は今も変わらねーよ。……ずっと、心も体もお前のもんだ。バーカ」
顔を真っ赤にして震えながら、声を絞り出すようにしていった。
言い終わった後はまともに蛮骨の顔が見れず、ずっと目を逸らしていた。
(恥ずかしー事言わせやがって。ったく)
「なー、まじで2人きりになり……」
「し・ご・と・し・ろ」
「……はい」
まだ文句をぶーたれる蛮骨を(煉骨が)宥めながら、銀骨に乗っていった。
「じゃーなーA−！ 帰ってきたらなんかご褒美でもくれよー」
「アホか。寝言は寝て言えー！」
蛇骨は蛮骨に殴られていた。
それを見て苦笑しつつ、Aは大声で叫んだ。
「蛮骨！ 無事に帰って来いよ。全部の仕事が終わったら、この十数年の隙間、うめよーぜ！」
この言葉を聞いた瞬間、蛮骨の背筋が伸びて晴れやかな顔になり、Aに向かって思い切り手を振った。
(単純な奴……)
でもAには、もし蛮骨が無事に帰ってきたらやらなければならないことがある。
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桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
