194話 ページ1
鬼は屋根の上で、ただひたすら逃げていた。
犬夜叉の攻撃からもAの攻撃からも、ひたすらに。
自分からは攻撃してこなかった。
「なあ犬夜叉、おかしいと思わないか？」
「何がだ」
「こいつ、ただ逃げてるだけだ。まるで、時間稼ぎでもしてるみたいにな」
「本物の妖怪がどこかにいるってことか？」
「多分な。おい行くぞ」
Aは屋根の穴から中に戻る。
「おい、こいつは！？」
「適当に打ん殴って気絶させとけ！」
「適当かよ……」
しかなく犬夜叉は鬼を殴って気絶させ、姉の後を追った。
(城の地下は弥勒と珊瑚ちゃんに任せるとして……)
城の中には、怪我をして動けない者や、重症で助からなさそうな者がいた。
全てかごめが手当てしてくれたのだが、ここにかごめの姿はない。
暫く闇雲に探し回っていると、またも鬼の首が飛び出してきた。
「何じゃお前！？」
いきなり出てきたことに驚いたのと、先程の首とは違うので、思わず声に出していってしまった。
「貴様……。半妖か」
「だったら何だよ」
鬼はその質問には答えず、空へ向かった。
「お、おいこらどこに行くんだよ！」
「依り代がなくなった今ここに留まる理由などない。外に出れば、坊主の1人や2人、食い放題よッ！」
「ああ！？ なんかよくわからんがとりあえず行かせちゃダメな気がする！」
「風の傷！」
犬夜叉が鬼に向かって風の傷を撃つ。
だが、あのまやかしの鬼の首同様、風の傷がきかなかった。
「あいつもまやかしか？」
「いえ、あいつは本物です。風穴！」
いつの間にか来ていた弥勒が、風穴を開けた。
鬼は、いとも簡単に風穴に吸い込まれていった。
弥勒が風穴を閉じて、それで終わり。
「城の地下に、何かあったか？」
「いえ、特には」
「そうか」
騒ぎは収められたものの、城のあちこちを壊してしまった。
余計なごたごたに巻き込まれる前に、一行は逃げた。
いつの間にか、夜は明けていた。
「これから妖怪が増えてくるという話も聞くし、これから商売繁盛じゃ！」
祓い屋は嬉しそうに笑顔で言った。
だが、犬夜叉は鼻で笑った。
「やめときな」
「悪いことは言いませんからやめといた方が……」
「何を言う」
祓い屋は犬夜叉とAを睨む。
犬夜叉とAは顔を見合わせ、頭を抱えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜餅(プロフ) - にんじんさん» 会うと別れがつらくなる、ということであまり絡ませられませんでしたけど、如何でしたでしょうか？ (2017年8月14日 9時) (
レス) id: 4f9d801cbe (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 蛮骨うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ！！ (2017年8月14日 8時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜餅 | 作成日時：2017年8月8日 20時
