しゅきぴ21 ページ22
「なんかウルセェと思ったら何やってんの?」
目の前にいた男は思い切り顔面を壁に打ち込まれ、白目を剥いていた。
声の持ち主は、さも何もなかったように「ふわぁ」とあくびを一つ。
声が低い。そして長い髪を靡かせてそこに立っている。
呆然と見つめる私の視線に気づき、『「あ」』とお互いが同じ言葉を発した。
「オマエ大丈夫か?」
『ん!!!』
「あ、喋れねぇのか。ちょっと待ってろ。」
後頭部にて結ばれた布を解いてくれる…かと思ったら、力尽くで破かれた。
ひっ、この人強い…
『はぁっ…ありがとうございます…!!』
「オウ。教室で勉強してたらよ、なんか声するなって思ったんだ」
お礼を言うと、眩しい笑顔を溢す長髪さん。
そして優しい手つきでボタンを閉めてくれた。
『うえ、きもち、わるい』
さっき飲まされた液体の感覚がまだ残ってて、甘い香りが脳に回ってきたかと思うと、また頭がぼーっとしてきた。
「にしてもここあめぇな。オマエまさかなんかされた?」
『えき、たい飲んで……あたまボーッと…』
腕に巻かれたネクタイを外してもらうと、そこには赤い跡がくっきりと残っていた。
呂律が回らない声で言うと、その人は何かを察したのか、「ほら」と手を差し出してくる。手を取ると強い力で引かれ、立ち上がることができた。
が、足がうまく支えられなくてまた倒れそうになるところを長髪さんが腰を掴んで支えてくれた。
「うっわ、ひでぇな。…顔にかかってる」
顔をスリ…と指で撫でられる。
そして、顔の液体を拭ってくれた。
その手が優しすぎて思わず泣きそうになっていると、「おー、怖かったな」と頭をポンポンされる。
この人の体温が千冬くんに似てる。
私の欲しい言葉と行動をしてくれるんだ。
「俺は場地圭介。オマエは?」
『は、るみA…』
場地、さん…??
あ、確か千冬くんのお友達の…
「ハルミってオマエだったのか。千冬がよく話すからよぉ」
んじゃ、彼氏のところ戻るか?と優しく手を引く場地さん。
こんな、状態見せれるわけない…
私が歩き出すのを戸惑っていると、場地さんはキョトンとした顔で待ってくれていた。
「千冬、オマエを探してたぞ。部活行ってねえし…って」
『ち、ふゆくん?』
オウと一言だけ言って、また歩き出した場地さん。
ついて行こうと足を動かしたけど。
あれ。足が上手く動かない。
すると、「ほら」と私の前で屈む場地さんがいた。
乗れって事なのかな。
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ゆぅり(プロフ) - え、サランヘヨ使えてる・・!!もしや、Kぽ女子か?! (2021年9月25日 11時) (レス) @page5 id: 39bfe8c53b (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 面白いですね!更新頑張ってください(*゚▽゚*)なのさん!応援しています (2021年9月12日 1時) (レス) id: 14a4d572b2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続編よければ書いてほしいです!!楽しみにしてます! (2021年9月6日 17時) (レス) id: 6485b8cd5e (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 続編期待してます(((出来れば、中学生編とかも少しとか、嫉妬させるのとか、入れて頂けると飛びます(((自分勝手なお願いばかりで恐縮です…!無理を承知で、御検討の程、よろしくお願いします!!長文失礼しました!! (2021年9月6日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - コメ失礼します!!!この作品は私の生き甲斐で、毎日の支えなんです!!!もっともっと沢山続編作って、永遠に終わらせないで下さい(((もうこのお話大好き過ぎます本当に!!!これからも応援してます!! (2021年9月6日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なの | 作成日時:2021年8月25日 8時