この子、彼氏じゃなくて夫です【松野千冬】

しゅきぴ8 ページ9

・


『ねね、千冬くん』

「んー？」

『千冬くんって友達いるの？』

「バカにしてる？」


ぷぅ、と口を膨らませてわかりやすく不貞腐れる。

かわいいの暴力だ。
やめて、かわいすぎてしんどいからぁ！！！


「この学校には場地さんと……。あれなんか涙が」

『すぅっ…。大丈夫だよ私がいるから』


こんなにいい子なのになぜ人が寄ってこないのか不思議でたまらない。
あと初対面の時もすっごいかわいい笑顔見せてくれたから、その笑顔見せれば女子イチコロだと思うんだけど…

まぁ今更惚れたって遅いですから！！！千冬くんは私の婚約者だからね！！！


「Aは友達じゃなくて恋人。カノジョ！！！」

『よちよちかわいいね千冬ちゃん』

「…撫でてくれたら許す」

『ご要望のままに』


ふわふわ〜と髪を触ると、くすぐったそうに目を細めた。

ワンちゃん？！ネコちゃん？！もしくはかわいい成分を沢山詰めて生まれたかわいい星人？！


「まぁ俺他校の方がいるんだよな。タケミッチも八戒もマイキーくんも。友達っていうか仲間っていうか。」

『へぇ…。マイキーくん？は聞いたことある』

「当たり前だ、総長だしな。でもなんでこんなこと聞くんだ？」

『結婚の挨拶』



は？っていう冷たい目で見られたので、また頭よしよしってしてあげたら許してくれた。
しゅきぴしか勝たん！！！


「うーん、タケミッチとかドラケンくんには紹介していいけどなー、他はなぁ…」

『たけみっち…どらけんくん…』

「タケミッチは俺の相棒。彼女いるしな。ドラケンくんも彼女みたいな存在の人いるし。」


ふーん。

みんな変わった名前…


「Aの性格だとマイキーくんと三ツ谷くんが危ないかな…」

『総長！！と…みつやくん…」

「待って名前を呼ばないでさっきから繰り返すな」


インコのように千冬くんの言った人たちの名前を繰り返すと何故か怒られた。



「八戒は女子苦手だし、ぺーやんくんもあんま耐性無いと思うから…」

『じゃあたけみっちくんに会いたい』

「間違っても手は出すなよ」


なんの心配？？
流石に彼女いる人は狙わないよ？？


『大丈夫、私千冬くんとお父さん以外の男性の前だと固まるから。実を言うと男の子好きじゃない』

「初耳。俺には初対面であんなに絡んできたのに」

『千冬くんはかわいいから！！！昔いろいろあって男の子苦手になったけど、千冬くんのおかげで克服できそう』

「俺としては克服してもらわなくてもいいけど…」

『？』

しゅきぴ9→←しゅきぴ7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す