letters.2

妄想女子。1【Y】 ページ5

学生の頃の私は
イケメンの彼氏に
ギュッとしてもらって
頭ポンポンしてもらって
顎クイしてキスしてもらって
壁ドンで愛を呟いてもらって
喧嘩してもういい！って言ったら腕引っ張って抱きしめてもらって

…そんな事たくさん妄想してたけど。
年齢を重ねるとそんな妄想のような現実になかなか出会えないって事を知った。


私にもゆずるくんっていう大好きな彼氏も出来たし、なんなら同棲もして幸せな日々を送ってる。
でもやっぱりこうなりたいなとか、こうして欲しいな、とかいつまで経っても大人になりきれない私がいる。

「ただいま〜」

『おかえり！』

ゆずるくんは私より大人で優しくて面白くてかっこよくて可愛い。
それだけでも充分すぎるはずなのにわがままになっちゃう私はまだ子供なんだろうな。

「あれ？今日俺飲み会なんやけど、言ってなかった？！」

『うそ！聞いてないからご飯作っちゃった…。』

「わぁ、ほんまごめん！」

『今から行くの？』

「そうやねん。まだみんな仕事やから集合遅くなるって言うてたからAに会いに帰ってきただけやったけど…ほんまごめんな。」

ねぇ、ちょっとだけでも会いに帰ってきてくれる彼氏に怒れる人いる？
ご飯要らないってどういうこと？！ってなっても、こんな事言われたら全然大丈夫！ってなっちゃうじゃん。
こうやって私の欲しい言葉をわかってる人なんてゆずるくんしかいないよ。
まったく…ズルいなぁ。

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