letters.2

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「今度はどこ行こか？」

『うーん。』

「どっか行きたい所ある？」

『私は全然どこでも大丈夫です！』

河井さんとならどこでも、どこへでも行きます。
どこ行ったって幸せな時間なのはわかってるから。

「じゃぁまた考えといて。」

『今度は河井さんの行きたい所行きましょう？』

「俺も考えとくわ。」

『はい！』

もうあと少し。
手が触れればいいのに、って考えてやめた。
だって手が触れたらもう戻れない。
私は河井さんを帰したくなくなっちゃうから。
たまにご飯行く関係で我慢しなきゃ。

『あ、ここです。』

「じゃぁ俺帰るな。」

『はい。ここまで本当ありがとうございました。』

「ええよ。じゃ。」

『おやすみなさい。』

「またな。」


そう言って来た道を帰って行く河井さんの後ろ姿を見つめてた。
まっすぐ帰る河井さんを見てるだけで、なんでこんなに胸が苦しいんだろう。
"ウチ来ます？"そう言いたくて、でも言えなくて…
彼女の話だって本当か教えて欲しいけど、真実を知るのが怖いから聞けない。
今は嘘なんじゃない？って思いたいだけ。

真実を知って、河井さんが目の前から居なくなるくらいなら、こんなに苦しいのもしょうがない。
このくらい我慢しなきゃ。
河井さんを失うことを思うなら幸せな寄り道だよ。


『また会いたいな。…会えるかな？』


言い訳ばかり考えながらやっぱり河井さんに会いたくなって気付いたら泣いていた。

もう少しだけ。あとちょっとだけで良いから。
もう少しだけ寄り道させて。


.


.


inspiration song by より道
【作者より】
"ウェイトレスとお客さん"の続きです。
こんな風にキュンとして切なくて…という感情が懐かしい…。
片想いってなんで苦しくて嬉しいんでしょうね？それでもすごく楽しかったですよね！
大学時代が懐かしいなぁ…。

Aさんが幸せになるように頑張って続き書きますのでまた読んでくださると嬉しいです！

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