letters.2

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『ゆずるくん食べ物何が好き？』

「え？」

『美香はイタリアンが好きだよ。』

「そうなん？」

『そう。で、生のお魚嫌い。』

「へぇ。」

『あと焼肉も好きだったな。ご飯誘うなら個室ね！美香はデート誘われるなら個室が良いって言ってたから。』

「Aありがとな。誘ってみるわ。」

『頑張って！』

「やっぱAに相談して良かったわ。」

『さっき後悔してたのにね。(笑)』

「Aしか美香の事聞けへんからね。」

『感謝してよ！一生！』

「一生は無理やわ。(笑)」

『A様って呼んでもいいんだよ？』

「今だけ呼ばせてもらいます。A様。」

『喜べ平民よ。』

「やっぱ無理や。」

そう言って笑いながら私を小突く。
解ったあとでよかった。
きっと5分もこんな笑顔でいられたら後戻り出来なかったから。
これで全部よかったんだ。

「ほんま今日はありがとな。」

『ゆずるくんと美香ならお似合いだと思うよ。本当頑張ってよ！』

「ありがとな。頑張ってみるわ。」

ねぇ今私に笑ってくれてる？
嬉しいはずなのに嬉しくない。
胸がギュッとなるのは何でなんだろう。
目を逸らしたら気付かれそうだから目を逸らさないけど…
その目に吸い込まれそうになるのはなんでだろう。

ダメだよ、ダメ。
ゆずるくんは美香が好きなんだから。
この気持ちが大きくなる前でよかったんだよ。

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