二 階 堂 忍 と い う 男 。

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二階堂の丸まった背中をボーッと眺める。最近課題の方が忙しいらしく、家に来てもこうやってることがほとんど。

いや別にそれはいいんだけど。こうやって一緒にいれるだけで嬉しいし。...でも暇だ。



「ねぇ二階堂ー」


「何」


「いっその事テレビ買わない？」


「...テレビ？」



あ、こっち見た。クルっと椅子を回して首を傾げる。私はそのまま話を続けた。



「テレビあったら暇な時でも見れるからいいじゃん」


「...スマホあったらよくない？」


「よくない！ドラマはリアタイで見たいの！」


「ドラマ？Aってそういうの見るんだ」



そういえば二階堂には言ってなかったっけ。私はかなりのテレビっ子でドラマだって結構見てる。私と真逆で二階堂はテレビなんて見ない。ニュースもネットで見ればいいじゃん派の人間。



「見るよー、今めっちゃ面白いのやってるんだよ！あの、イケメン俳優が出てるやつ」


「へぇ」


「あ、全く興味ないな」


「当たり前でしょ。とにかくテレビは買わないし見たいなら後で家に帰って見て」


「えぇー！なんで！」



電子レンジだって炊飯器だって買ったのに。何でテレビだけだめなの。なんてクッションを抱えながら文句を言っていると、二階堂は小さく溜息を吐いて私の隣に座った。そのまま顔を近付けて一言。



「...テレビにA取られるのは嫌だ」


「は...っ」



二階堂、それってまさか、テレビにまで嫉妬してる......？？

恥ずかしそうに目線を泳がせる二階堂が可愛くて可愛くて、私はニヤニヤしながらソイツに思い切り抱き着いた。




「うわ、ちょっ！」


「なになに、可愛いね忍く〜ん！」


「いや可愛くないし、忍って...まぁAならいいけど」



そのまま頭を撫でて好き好き言って、満足した頃には彼の顔は真っ赤になってた。可愛い。








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