33.照れさせあい ページ33
.
それからというもの、営業部の前を通る度にからかわれたりそういう目で見れらたり、しまいには佐々木さんに言われたり...大変だった。
「はぁー...」
昼休み、誰もいない屋上で息を吐いて机に顔を伏せる。...何か疲れた。いや別に付き合ってることを言ったのはいいんだけど、ここまでからかわれるとは...
そう思っていると頭の上にぽんと手が置かれる。頭をあげるとそこに居たのは柊一さんで、袋片手に向かいに座った。
「ごめんね、言わなきゃよかったかも」
「い、いや、そんなことないです！いつかはバレてただろうし...」
「んー、でもAちゃん大変そうだから」
「...柊一さんは弄られたりしてないんですか？」
「んや？言われるけど全部流してる」
やっぱ大人だなぁ...私もあんま気にしないようにしないと。そう思いながらオレンジジュースを飲んでいると、そんな私を頬杖をついて見詰める彼。
「あとちょっとだけホッとしてる。Aちゃんを狙ってた奴が諦めてくれるんだなーって」
「っ、ね、狙ってた人！？」
「やっぱ気付いてなかったか。Aちゃんさ、営業部の中じゃ人気だよ。愛想良くて可愛いってみんな言ってる」
は、初耳なんですけどそれ...！何か急に恥ずかしくなって、手で顔を扇いで熱を冷ます。柊一さんはくすくす笑ってるけど。
「ねぇ、せっかくだから呼び方も変えない？」
「え、」
「柊一くんって呼んでよ。それにもう敬語もいらないし」
「い、いやいや！無理ですよ！」
やっと柊一さん呼びに慣れたところだし、年上だから敬語じゃないと...。そう思っているのがバレたのか、彼は眉を下げて言う。
「...だめ？」
「...それ、分かっててやってますよね」
「あははっ、バレた？これ弱いでしょ」
「弱くないです！」
そう否定すればまた面白そうに笑う。...私ばっかり照れてて何か悔しい。
「その、好きだよ...柊一、くん」
「...いきなり言うのは反則でしょ」
そう言って顔を手で隠す柊一くん。でもその耳は真っ赤で、ちょっと可愛かった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 414人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
翼(プロフ) - 本当に大好きな作品です！まるる。さんのペースで無理ない程度更新楽しみにしてます！ (2020年1月21日 1時) (
レス) id: 5f13a52875 (このIDを非表示/違反報告)
mon(プロフ) - お話大好きで、何回も繰り返して読んじゃってます！(笑) リクエストなのですが、喧嘩したお話が見てみたいです！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年1月18日 19時) (レス) id: a101a3c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - お話面白いです！太陽くんとの絡みが見たいです！ (2020年1月6日 1時) (レス) id: 0b21ae6365 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - ずっと更新まってました！通知が来ててびっくりしました笑オリジナルでも全然いいのでこれからも更新楽しみにしてます！ (2020年1月3日 22時) (レス) id: 1242b5766f (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 千春さん» 何ヶ月も更新していないのにそう言っていただけて凄く嬉しいです...！一話だけですが更新したので、もしよければ読んでいってください！ (2020年1月3日 20時) (レス) id: e1a0e5841f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まるる。 | 作成日時：2019年8月13日 9時
