#誘い ページ5
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文化祭の準備も着々と進み、いよいよ明日が文化祭当日。
私達は協力して教室を飾り付けていく。
のぶおが働いてたBARを再現するってだけあって、のぶおの気合いがすごい。みんなにビシバシ指摘してる。楽しそう。
「A!これあそこにつけてくれる?」
「あ、はーい」
のぶおから銀の丸いボールみたいな物を受け取り、さっき指さした天井に釣り下げようと椅子に登る。
...それでも身長が足りない。背伸びするけどギリギリ届かない。あとちょっと...っ、
「A、危ないだろ?俺がやるよ」
「え、田中先生...?何でここに、」
声に釣られて下を見るとそこには田中先生がいた。
文化祭の準備期間中、教室にたまに見に来ることはあっても直接手伝うことはなかったのに、何で?
「あー、前日だから手伝ってくれって、原田先生が」
「なるほど...」
「ほら、それ貸して?」
「あ、はい...ありがとうございます、」
椅子を降りてボールを手渡す。先生は椅子の上に立つと器用に天井にそれをつけた。...先生、やっぱ背高いな。かっこいい。
「...よし。こういうのは男に任せとけばいいんだから、1人でやろうとしないこと」
「はーい、先生ありがとう」
そう言えば先生はどういたしまして、と爽やかな笑顔を浮かべる。
...お化け屋敷、誘うなら今しかないのかも。
結衣に言われてからずっと引っかかってた。怖いのは苦手だけど、でもせっかくの文化祭だし、先生と2人きりになりたい。
嫌がられたらそこまでってことだよね。そう覚悟を決めて口を開く。
「...先生、明日は誰とまわるんですか?」
「明日?特に決まってないけど」
「じ、じゃあ、一緒にお化け屋敷行きません?」
「...え、」
その途端先生の表情がひきつる。私は慌てて言葉を付け加える。
「あの、その、1回行ってみたくて、でも若林くん達は忙しいから行けなくて...」
「でも相当怖いらしいぞ?」
「そ、それでも行きたいんです!...だめ、ですか...?」
先生は困ったように腕を組み悩む素振りを見せる。...やっぱり迷惑だったかな。
「...まぁ、俺でいいなら付き合うよ」
「ほ、ほんとに!?ありがとう先生!」
そう言って笑えば先生も同じように笑顔を見せる。
...先生の隣歩けるんだ。今はそれがとにかく嬉しくて、一日中ニヤけが止まらなかった。
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青龍 葵(プロフ) - まるる。さん» 態々、お知らせして頂き有難う御座います。 (2019年7月7日 17時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 青龍 葵さん» 移行先は明日投稿してこちらでお知らせするので、もう少し待っててください(>_<) (2019年7月6日 19時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 後、少しで終わっちゃうと思うと寂しいですが、続編などあればと思いながら移行先は何処にあるんでしょうか? (2019年7月6日 16時) (レス) id: 2dfc35dd30 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - ひるくさん» ありがとうございます!!結構力入れて書いたのでそう言っていただけて嬉しいです...。これからもよろしくお願いします! (2019年6月30日 16時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
ひるく(プロフ) - 最新話……最新話最高です……ありがとうございます……沢山読み返して胸キュンに浸ってます!これからも応援し続けます頑張ってください! (2019年6月30日 13時) (レス) id: bbffd7f7da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年6月16日 10時