先 生 、大 好 き で す 。【俺スカ】

#男装、近い ページ3

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｢わ、A！めっちゃ似合ってる！イケメン！｣


｢いや、結衣の方がイケメンだよ...美少年って感じする｣



ニコニコ笑う結衣は短髪のウィッグを被ってる。美人な人って男装しても美人なんだ、かっこいいな。

私は少し長めの黒髪ウィッグ。何かジャニーズにいそうな感じの雰囲気のおかげでイケメンに見えてるのかもしれない。



それから男子達が教室に入ってきて、私達を見てそれぞれ反応する。



｢Aちゃん、めっちゃイケメンだね！｣


｢んふふ、そうかな？｣


｢すげぇ、川崎も似合ってんじゃん｣


｢ありがと！でもAのかっこよさ異常じゃない？うちのエース決定！｣


｢え、エースなんてそんな、｣


｢いや、マジでそれぐらい似合ってるよ｣



元の姿に戻った明智くんにそう言われ、少し恥ずかしくなって軽く笑い目を逸らす。

すると田中先生と目が合った。結衣がそれに気付き、私の肩を抱いて先生の前に突き出す。



｢田中先生もそう思うよね？｣


｢え？あぁ、うん。何かお前ら双子みたいだぞ｣


｢そうかな？結衣みたいな兄弟いたら毎日楽しそうでいいけど｣


｢いや、騒がしいの間違いだろ｣


｢ちょっと東条！どういうことそれー｣



なんて口喧嘩を始める2人。幼馴染みなんだよね、凄くお似合いに見えるけど、多分好きなのは東条くんだけ。お互い片思いしてる者同士頑張ろうぜ、なんて前に言われたし。


2人をボーッと見ながら思い出していると、ポンと頭を触られた。



｢っ、せんせ？｣


｢あ、悪い...ちょっとズレてたから｣



どうやらウィッグが乱れてたらしく、先生は私の身長に合わせて中腰になり、その長い指で私の前髪を触る。


...ち、近い。先生、まつげ長...。やっぱり顔整ってる。なんてじっと顔を見て思う。心臓がバクバク音を立てて、周りの音は何も聞こえなかった。



｢...これでよし、と｣


｢あ、ありがとう、ございます...｣


｢どーいたしまして、｣



そう微笑んで私から離れていく先生。

少しだけ、寂しいと思ってしまった。







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