#コンビニまで ページ10
.
暗くなった道を1人寂しく歩く。お腹減ったからコンビニでパンでも買おうかと思って外に来たけど、やっぱりやめたらよかった。
家からコンビニまで近いとはいえ、夜はやっぱり怖い。早足で歩いていると、誰かに肩を叩かれた。
「っ!」
「青木?お前、こんな遅くに何してんだ」
「た、田中先生...びっくりさせないでよ...」
「え?あぁ、悪い悪い」
振り返るとそこに居たのは田中先生で、いつも通りの優しい笑顔を見せる。
「で、どこ行くんだよ。まさか夜遊びとか...」
「ち、違います!コンビニ行くだけだし!そんな不真面目じゃないもん!」
「そんな怒んなよ、冗談だから!」
「う...先生こそ、こんな遅くどうしてここに?」
「あー、チア部の顧問になったから練習見てたらこんな時間に...」
チア部の顧問...いいな、私もチア部入ろうかな。なんて、こんな不純な動機じゃ結衣に怒られちゃうか。
そう思っていると先生は私を見て言った。
「コンビニまで付き合うよ、早く行くぞ」
「え!?な、何でですか、1人で行けますよ!」
「だーめ。こんな暗いのに女子生徒1人だと危ないだろ?遠慮なんていいから」
「...ありがとう、ございます...」
だーめってなに?可愛いのにその後に言ってることイケメンだし...ギャップが凄い。先生はほんとにずるい人だ。
私は先生と一緒に歩き出す。気のせいかもしれないけど先生は私の歩幅に合わせてくれてて、それがまた嬉しくて、思わずニヤけてしまう。
「新しいクラスはどうだ?上手くやってけそう?」
「は、はい、何とか...仲良い子も何人かいるし」
「そっか、よかった。去年は1人でいること多かったから、ちょっと心配だったんだよ」
「心配、してくれてたんですか...?」
「そりゃあするだろ、大事な生徒なんだから」
...嬉しい。先生が私の事気にしてくれてるなんて。ちょっとでも先生の頭の中に私がいるんだ、って、かなり気持ち悪いか。
「...青木?着いたぞ?」
「へ、あ、はい!」
「ん、気を付けて帰れよ?おやすみ、また明日な」
「お、おやすみなさい...」
田中先生に手を振って、私はコンビニに入った。
.
672人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
。 - 桐山漣くん本当にかっこいいですよね、ぜひテニミュをご覧下さい。 (2020年8月21日 0時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - のりぴーさん» コメントありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです...!更新頑張ります!! (2019年6月3日 20時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
のりぴー(プロフ) - 初めまして!面白くて全部読んじゃいました!笑 先生に片思いしてる主人公と主人公に興味のあるメイン3人辺りの関係がとても素敵です!更新頑張って下さい! (2019年6月3日 14時) (レス) id: b1332d8c7b (このIDを非表示/違反報告)
まるる。(プロフ) - 雪柳.さん» コメントありがとうございます! 神作品だなんて勿体ないお言葉ありがとうございます...これからもよろしくお願いします!! (2019年6月2日 22時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
雪柳.(プロフ) - 初めまして!吉沢さんの小説を書いている雪柳と申します!田中先生の小説が見当たらなくて自給自足しようかと考えてた時にまるる。さんの作品に出会いました。神作品でこれからも一読者として応援しています! (2019年6月2日 11時) (レス) id: 6f46d7d183 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まるる。 | 作成日時:2019年5月26日 10時