先 生 、好 き で す 。【俺スカ】

#探す ページ31

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屋上でタコパをしながら東条くんが知ってる明智くんのことを聞く。お父さんから暴力をふるわれてたこと。お母さんが明智くんを置いて家を出て行っちゃったこと。

...タコパしながらする話じゃないと思うけどこれは黙っとこ。



｢暴力？｣


｢そ。で、お母さんと新しい男ボコったらしいよ｣


｢あの人参観の時に原田先生の事めちゃくちゃ睨んでたじゃないですか！｣


｢そうなのよ、私も狙われてると思って思わず勝負下着に着替えちゃったわよ、紐の｣


｢...あの日紐パンだったんですか？｣


｢冗談だよ｣


｢やめてくださいよぉ｣



なんて話を聞きながらモグモグたこ焼きを食べる。美味しい、田中先生丸めるの上手だなぁ。ずっと中腰で辛そうだけど。

若林くんも同じようにたこ焼きを食べながら口を開く。



｢サッカーやめたの、そのせいじゃないかな。ちょうどお父さんがいなくなったときでしょ？｣


｢明智が学校やめたの、父親に無理矢理辞めさせられたみたいよ｣



...そうだったんだ。明智くんが辞めたくて辞めたわけじゃないんだ。なんて、少しだけホッとした。

原田先生は俯いて何かを考えている東条くんに向かって言う。



｢アンタが仲直りしたいんだったら手伝ってあげるよ｣


｢...サッカーやめたの、あいつの気分かと思ってた｣


｢違ったみたいね｣


｢......謝れると、いいかな｣



そう言って顔を上げる東条くん。ずっと明智くんの事気にしてるみたいだったし、東条くんなら若林くんと仲直りしたみたいに明智くんとも出来るはず。

次に先生は若林くんの方を見た。



｢若林は？どうするの？｣


｢僕は...明智のことは...｣


｢嫌いなら嫌いでいいのよ？嫌いな人を遠ざけるのも楽しく生きるコツだから｣



若林くんはその言葉に少し悩む素振りを見せるも、すぐに顔を上げ笑顔で言う。



｢...謝ってもらってから嫌いかどうか決めようかな｣


｢そう。Aは？どうなの？｣


｢わ、私？えーっと...｣



私に振られるとは思ってなかったから言葉に詰まる。でも、頭に浮かんだのは作り笑いを浮かべる明智くんの顔で、



｢...明智くん、いつも作り笑いしか見せてくれなかったから、心からの笑顔が見てみたい、かも｣



気付いたらそう言ってた。原田先生はその答えに満足そうに笑うとスマホを取り出す。



｢じゃ、明智を探すわよ！｣



そう言ってスマホを弄る先生に私達は首を傾げて待つことしか出来なかった。






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