金髪パーマで卑怯な彼氏。【今日から俺は!!】

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あの後伊藤くんから聞いたんだけど、三橋くんは昨日警察に追われたりして色々大変だったらしい。なにより、トイレで倒れてた人は演技だったらしく、ほんとに死んでたわけじゃなかった。

今井くんに騙されたことがショックで三橋くんはああなってたみたい。まぁ、それならあんな風になるのも納得出来る。



結局、授業が終わって放課後になっても三橋くんは帰ってこなかった。

どこ行っちゃったんだろ。1人で学校を出て三橋くんを探しに行く。あまりのショックで死んだりしてないといいけど...三橋くんなら有り得る。


商店街の方に行ってもいない、河川敷に行ってもいない。三橋くんが行きそうな所は全部探したけど居ないし...いつもと逆の方に行ったのかな。

そう思いながら人通りの少ない道を歩く。ちょっと怖いけどこれも三橋くんのため。我慢我慢...。


その時、後ろから｢おい｣と声をかけられた。



｢ひっ...な、何でしょうか...っ｣



振り返るとそこにはガタイのいい男の人がいた。しかも灰色の制服。開久だ。
私何かした？普通に道歩いてただけだよね？大丈夫、だよね？？

不安になりながら彼の言葉を待つ。



｢これ、お前のだろ。さっき落としてたぞ｣


｢え...？｣



そう言ってその人は私にハンカチを渡してくる。確かに私の物だった。

私は、ありがとうございます...と小さな声でお礼を言って受け取る。



｢お前、軟高だろ。こんな所で何してんだ。｣


｢えっと、人を探してて...｣


｢人？まぁここら辺はヤクザとかガラが悪い奴しかいねぇから気をつけろよ｣



そう言われて急に怖くなる。三橋くんがいない今、絡まれたら私1人じゃ何も出来ない。もう帰った方がいい、よね...。



｢...その、わざわざありがとうございました！お名前聞いてもいいですか...？｣


｢片桐だ、片桐智司。お前は？｣


｢わ、私は神崎Aって言います...。片桐さん、ほんとにありがとうございました！失礼します！！｣



そう言って深く頭を下げ、その場をあとにした。

...片桐さん、開久だけどいい人だな。開久にもあんな人いるんだ。







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