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...やってしまった。
校舎に戻って暫くして我に返る。三橋くんの事叩いちゃった、それも思いっきり。
三橋くん、痛そうだったな。絶対怒っちゃったよね。...嫌われたかな。
とにかく謝らないと。三橋くんの事だから屋上にいるに違いない。
急いで階段を登りドアを開ける。
「三橋くん!」
「あ、Aちゃん。こっちこっち」
そう言われて上を見ると、ドアの上にあるスペースに伊藤くんがいた。...後ろには三橋くんがいる。
「三橋くん、ごめんね?痛かったよね...ほんとに、ごめん」
「...」
「ね、ねぇ、一緒に帰ろ?サ店で何か奢るから!」
「ふん、行きたきゃ1人で行け」
「...ごめん伊藤くん、あと頼んだ」
「ちょ、Aちゃん!」
いつもより冷たい三橋くんの対応に涙が溢れてきて、それがバレないようにそう言い残し逃げるように屋上を後にした。
...私が悪いのは分かってるけど、かなり辛い。
今日は諦めて明日また謝ろ、そう思って靴を履き替える。
「...おい姉ちゃん、」
「っ...な、何?」
声を掛けられ咄嗟に振り向くとそこにはヘルメットを被った男の子がいた。片手にはバットが包帯でグルグル巻きにされてくっついてる。
「3年のよぉ、神崎Aって知ってるか?」
「...私、だけど、それが何?」
「お前が神崎Aか...ちょっとツラ貸してくれよ」
「何で、理由を教えて、」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!!!」
そう言って床をバットで叩く彼。キンと高い音がその場に響く。...血の気が多い。
ここにいても周りの人に迷惑をかけるだけだから、大人しく着いていくことにした。
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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時