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#74_M ページ29

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...遅い。Aが遅い。

教室に忘れ物取りに行くだけでどれだけ時間かかってんだよ。なんてイライラしながら下駄箱に向かう。
どうせ理子と話し込んでんだろうな。彼氏待たせて何してんだアイツは。


教室に戻るとそこには伊藤と理子がいた。



「あれ、三ちゃんどうしたの?Aと帰るんじゃなかったっけ」


「アイツが教室に忘れ物取りに行くとか言って戻って来ねぇんだよ」



そう言うと2人は驚いたように顔を見合わせる。



「俺達ずっと教室にいたけど、Aちゃん来てないぞ」


「は?」


「間違いないわ、入ってきたらさすがに気付くと思うし...」



その言葉を聞いて何故か嫌な予感がした。

俺は2人にまた明日と言い残し急いで1階に降りる。下駄箱を一応確認するも、Aの靴はない。...どこ行きやがった。


その時、声をかけられた。



「三橋さんっ!どうしたんですか?」



声のする方を見るとそこに居たのは1年の女子達で。Aじゃねぇのかって少しだけガッカリする。



「あー、彼女探してんだけど...見てない?肩ぐらいの黒髪で可愛い奴」


「あっ、Aさんならさっき帰りましたよ!」


「...帰った?」



そんなわけない。俺はずっと校門前で待ってたし、Aは俺との約束を破ったりするような奴じゃない。先に帰ったとかありえねぇ。

それなのにコイツらはペラペラと喋り続ける。しまいには一緒に帰ろうとまで言ってきた。...あぁ、Aに何かしたなコイツら。



「...おい、Aどこにやった」


「え...?や、やだな!先に帰ったって言ってるじゃないですか!」


「アイツは俺との約束は絶対破らねぇ女なんだよ。どこにやったか吐け、」



そう言って睨み付ければあっさりとAの居場所を吐いた。体育館倉庫とか、何でそんな所に行くのかなぁAは。明らかに怪しいだろ。

俺はそいつらに背を向けて走り出す。早く行ってやんねぇと。寂しがってるに違いない。



「...あ、あの!!どうして、どうしてあの人なんですか!?あんな人のどこがいいんですか!」



後ろからそんな声が聞こえて思わず足を止める。

...どこがいい?そんなの言わなくても分かるだろ。





「俺の事誰よりも大事に思ってくれてる可愛い奴とか好きにならねぇ理由がねぇだろーが!!!」





そうハッキリと言い切り、可愛い彼女の元へ俺はまた走り出した。







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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時

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