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三橋くんに抱き締められて身動きが取れない。
とりあえずぽんぽん背中を叩いて口を開く。
「み、三橋くん、どうしたの?」
三橋くんは聞こえてないのか無視してるのか、返事がない。ほんとにどうしたんだろう。こんな急に、何で。
冷静を装ってる私だけど、ほんとはバクバク心臓が音を立てている。顔が熱い。三橋くんに心臓の音聞こえてないといいけど...。
「三橋くん...?ここ道だよ、誰かに見られたら、」
「好きだ」
「...え?」
私の言葉を遮るように、三橋くんが言う。
今、好きだ、って言ったよね...?
三橋くんはゆっくり私から離れると真っ直ぐな目で私を見た。
「1回しか言わないからよく聞け。
...ずっと好きだった、お前の事」
「俺以外の奴と楽しそうにしてるのとか見たくねぇし、ずっと俺の傍にいてほしい」
「だから、その...俺と付き合え」
嘘だと思った。三橋くんが私の事好きなんて、信じられなかった。
でも恥ずかしそうに目を伏せる三橋くんを見て本当の事なんだと感じる。
「...私も、三橋くんの事すきだよ」
やっと出てきた言葉。もっと言いたいことがあるのに涙のせいで上手く言えない。頭が真っ白で、どうしたらいいのか分からない。
ぐすぐす泣いてる私を見て三橋くんは眉を下げて笑う。そんな顔もかっこいいとかどうなってるの。
「ったく、こんな事で泣くなよ」
「っ、だって、三橋くんが...」
「はいはい、いーから。しょーがねぇから俺の胸貸してやるよ」
そう言って三橋くんは私の後頭部に手を添えそのまま自分の胸元に私の顔を押し付ける。
私はぎゅっと三橋くんに抱き着いてひたすら泣いた。
幸せだな、なんて泣きながら思った。
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まるる。(プロフ) - 良ちゃんさん» コメントありがとうございます!相良くん全然出てこなくてすみません...(笑)素敵な小説だなんてもったいないお言葉ありがとうございます...!これからもこの小説をよろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
良ちゃん(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んじゃいました!相良推しなんですが、この小説の三橋君にキュンキュンさせられてしまいました(*´ー`*)素敵な小説ありがとうございます! (2019年5月23日 9時) (レス) id: 2652916fe0 (このIDを非表示/違反報告)
咲餅(プロフ) - あと評価1つ!!! (2019年4月21日 17時) (レス) id: ffacf9010f (このIDを非表示/違反報告)
牧さん - めっちゃ好き!!ただそれだけ (2019年4月21日 16時) (レス) id: 66f0eb62d2 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - 面白いです、更新頑張って下さい応援しています!!! (2019年4月6日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月5日 14時