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教室に入るも、隣の席に三橋くんがいなくてホッとする。今会ってもいつも通り話せる気がしない。

私は机から持って帰るのを忘れた教科書とノートを出して今日宿題で出ていた問題を解いていく。

えーっと、ここがこうだからこうなって...、なんて頭をフル回転させて問題を解いていると、私の横に誰かが立っているのに気付いた。



「朝からベンキョーかよ、真面目だなぁ」


「み、三橋くん...おはよう」



そう言われてびっくりしたけど、にこりと笑って挨拶。うん、いつも通りなはず。

三橋くんはおう、返して席に座る。...ご機嫌ななめ?何かあったのかな。



「三橋くん、何かあった?」


「別に何もねぇけど。何かあったのはAの方だろ」



まさかの返事に目を丸くする。そんな私を三橋くんはじっと見詰めた。



「いつも通りなつもりかもしれねーけどよぉ、俺には分かるんだぞ。何があったんだよ」


「何もないし、三橋くんには関係ないじゃん」


「関係あるから聞いてんの」



私のばか。何で可愛げのない返事しか出来ないんだろう。
いつもより冷たい返事にも関わらず、三橋くんはまだ私を見詰めている。

そんな時、いつか理子ちゃんに言われた言葉を思い出した。

たまには素直にならないとだめよ、って。




「...三橋くんが、理子ちゃんと楽しそうに話してるの見ちゃって。理子ちゃんの事好きなのかなって思うと、苦しくなって...」


「......つまり理子に嫉妬してた、ってこと?」



その問い掛けにこくりと頷く。

あぁ恥ずかしい。顔が熱い。今すぐ逃げ出したい。でも逃げたら全部無駄になる...。

ちらりと三橋くんの方を見ると、彼は顔を手で覆っていた。...耳が赤くなってる。



「お前さぁ...ほんっと馬鹿だよな」


「は、はぁ??」


「俺は理子の事何とも思ってねぇし、勝手に誤解して嫉妬すんなって」



三橋くんは唇を尖らせてそう言うとぽんぽん私の頭を撫でた。


...私の誤解、だったんだ。少しほっとした。






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まるる。(プロフ) - 良ちゃんさん» コメントありがとうございます!相良くん全然出てこなくてすみません...(笑)素敵な小説だなんてもったいないお言葉ありがとうございます...!これからもこの小説をよろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
良ちゃん(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んじゃいました!相良推しなんですが、この小説の三橋君にキュンキュンさせられてしまいました(*´ー`*)素敵な小説ありがとうございます! (2019年5月23日 9時) (レス) id: 2652916fe0 (このIDを非表示/違反報告)
咲餅(プロフ) - あと評価1つ!!! (2019年4月21日 17時) (レス) id: ffacf9010f (このIDを非表示/違反報告)
牧さん - めっちゃ好き!!ただそれだけ (2019年4月21日 16時) (レス) id: 66f0eb62d2 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - 面白いです、更新頑張って下さい応援しています!!! (2019年4月6日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月5日 14時

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