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「そういや俺、彼女出来た」
伊藤くんのその言葉に危うく飲んでいたレスカを吹き出すところだった。
...三橋くんは我慢出来ずに吹き出してしまったみたいだけど。
「は、かっ、彼女!!!?誰だよ!!」
「京ちゃん、ほらあの、京子ちゃんだよ。」
三橋くんは知り合いらしく驚いている。どうやらかなりの美人らしい。
「何であの子とお前が付き合えるんだよ!!」
「何でって...性格?」
信じられない、とブツブツ呟く三橋くんを横目に私は、おめでとう、と笑って言う。
伊藤くんは嬉しそうにありがとうと言ってくれた。
「三橋も早くいい人探せよ」
「うっ、うるせぇ!俺だって理想の人が現れればすぐ!すぐ彼女ぐらい出来るし!?調子乗んなよ!!」
彼女、という言葉に思わず反応してしまう。そうだよね、何だかんだ言って三橋くん顔いいし、優しいし、かっこいいし、彼女ぐらいすぐ...
...ちょっとだけ、寂しいと思ってしまった。
「Aちゃんはいないの?そういう相手」
「へ、わ、私!?私はー...今のところは、いないかな」
一瞬三橋くんの顔が浮かんだけどそう答える。うん、今はいない。
横から小さくよかったと聞こえた気がしたけど気の所為って事にしておこう。
「にしても何で伊藤なんだよ...俺でもいいだろ...」
「まぁまぁ...伊藤くんを好きになる気持ちも分からなくもないよ。優しいもん」
「へへ、そう?」
ニコニコ笑う伊藤くん。可愛い。
三橋くんは焦ったように私の肩を掴む。
「ま、まさかAちゃん...コイツの事...?」
「...え、違う違う!好きじゃないよ!?友達としては好きだけど!」
全力で首を横に振って誤解を解く。伊藤くんは恋人にしたいタイプじゃないもん。
それを聞いて三橋くんは安心したように息を吐く。...どうして安心したんだろ。
「...2人共鈍感かよ、」
なんていう伊藤くんの言葉は私の耳には届かなかった。
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まるる。(プロフ) - 良ちゃんさん» コメントありがとうございます!相良くん全然出てこなくてすみません...(笑)素敵な小説だなんてもったいないお言葉ありがとうございます...!これからもこの小説をよろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 96c7a89dfd (このIDを非表示/違反報告)
良ちゃん(プロフ) - はじめまして。面白くて一気に読んじゃいました!相良推しなんですが、この小説の三橋君にキュンキュンさせられてしまいました(*´ー`*)素敵な小説ありがとうございます! (2019年5月23日 9時) (レス) id: 2652916fe0 (このIDを非表示/違反報告)
咲餅(プロフ) - あと評価1つ!!! (2019年4月21日 17時) (レス) id: ffacf9010f (このIDを非表示/違反報告)
牧さん - めっちゃ好き!!ただそれだけ (2019年4月21日 16時) (レス) id: 66f0eb62d2 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - 面白いです、更新頑張って下さい応援しています!!! (2019年4月6日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月5日 14時