８ ページ8
*
昨日のデートの余韻に浸りながら受けた4限目。黒板の文字をノートに写す気にもなれないし、先生の声も右から左に流れていくし、頭の中で考えることは昨日の黒田くんとの思い出だけ。
「 あ、やばい 」
気付いたときにはもう遅くて。"はーい今日のところが次回の小テストで出ます！ノートを確認しておくこと！" という先生のデカめな声と共にチャイムが鳴った。
「 ･･･なんも書いてない 」
まっさらなノートには、さっきぼーっとしながら描いた兎の絵のみが残っている。終わった。もう補習なんて受けたくない。この先生の補習、鬼ほど厳しいし追加テストとかされるし。受けたくないんだよな。ひとりで落胆していると、"とんとん" と突然叩かれる右肩。
「 ･･･ん？ 」
「 俺のノートで良ければ貸すよ？ 」
「 ･････････え、神なの？ 」
「 桃瀬さん、やっとでペン動かしたと思ったらうさぎの絵書いてるだけでなんもしてなかったじゃん(笑) 」
「 ･････････げ！見られてた 」
心優しく声をかけてくれたのは、斜め後ろの席の北川くん。この前3人で、北川くんって隠れ やわらかイケメン顔 だよねって話してたくらいであんまり面識無かったから声かけてくれてびっくりした。
「 ほんとにありがとうすぎる 」
北「 字汚いかもだけど許してね 」
「 いや？すっごいスラスラ読める 」
北「 ･･･それは良かった(笑)」
北川くんに"明日返すね！"と伝え、あいちゃん達のところへ向かう。「お待たせ〜」「遅いー」「北川くんにノート借りてたわ」「ほお〜北川くん優しいじゃん」とか会話をしながら、今日のお昼は食堂で済ますことにした。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 451人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2024年2月27日 4時
