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さすがに甘すぎたな⋯昨日は。黒田くんに一目惚れして早1ヶ月半。にゃんにゃんを通してだけど、自然に仲良くなれたし、最近だと「おっとこれ脈アリか？」と思うような出来事もちらほら。
" あ、ごめん。桃瀬ちゃんいる？ "
教室の後ろドア。休み時間の生徒たちの声でうるさいけれど、鮮明に聞き取れた好きな人の声。窓側の前から2番目の席でスマホをいじっていた私は、その声が聞こえると共にふいっと振り返った。廊下側の席の女の子に声をかけて私を探す黒田くんが、堪らなくかっこよくて少しだけ身を潜めて堪能する。
" ⋯⋯桃瀬さん呼んできた方がいいですか？ "
" うん⋯⋯⋯あ、待っていいや。見つけたから "
黒田くんのその声が耳にスっと入ってきて、ぱちっと絡まる視線。あ、やばい、こっち来る。私に気付いた黒田くんはさっきまでの真面目そうな顔とは対照に、ニコニコ子犬のような笑顔でこちらにやってきた。
『 なに隠れてんのーーーー 』
「 うわあ！⋯⋯いけめん 」
『 反応可笑しいんだって絶対に(笑)』
「 黒田くんから私に用事ってなあに？ 」
ケタケタ笑う黒田くんを見上げて聞くと、黒田くんは私と同じ目線にしゃがんでこう言った。『 今日遊びに行かない？ふたりで！ 』と。しかも可愛くピース付きで。私もマネしてピースしてみたけど。⋯ん？ふたりで？反応が出来ずに固まってたら、『 ⋯え、やだ？ 』って急に不安そうな顔になる黒田くん。
「 え！やじゃない！すっごい嬉しい！行きたい！ 」
『 ねー不安にさせないでよ(笑)』
「 うれしすぎて一瞬固まってた 」
『 それなら俺もうれしいわ 』
"じゃあまた後で連絡するね" 黒田くんはそう言って立ち上がった。「うん！待ってるー！」って元気良く返事したけど。黒田くんと入れ替わりでトイレから戻ってきたあいちゃんとまゆちんが私に駆け寄る。
あい「 ⋯なにお前今日黒田とデート？？ 」
まゆ「 今黒田に "今日桃瀬ちゃん借りるわ" って言われたんだけど 」
「 ⋯⋯うっわそれ良い。その響き良いわ 」
何から何までタイプな黒田くんとこの後デートとかやばいって。まってコンシーラー忘れたじゃん今日！「 コンシーラー貸して欲しい 」「もう持ってけこれ全部！！」「 は？がち？(笑)」と、全部良いらしくあいちゃんのメイクポーチから半分以上メイク道具を借りた。
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作成日時：2024年2月27日 4時
