‥‥裏切るの？

12話　過去編 ページ16

いつの間にか退院して家にいた。

いつ帰ってきたのだろう。

‥‥わからない

お葬式とか色々あったんだろう。
何一つ思い出せない。

考えていると夜が明けたのか窓から光が差し込んできた。

なんとなく窓を開けて景色を見る。

‥‥おかしいなぁ。世界はこんなにも暗かっただろうか。
すべてに影かかかって見える。

‥‥‥予定なら今日はドラマの撮影があったはず。

ふと思ったとき、電話がなった。
事務所だろうか。

受話器をとる。

‥‥違った。叔母さんだった。
そういえば昨日お前のせいで妹が死んだ。 とか言ってきて殴られたような気がする。

そんなのどうでも良いけど。

｢お前の引取先が親戚どこを回っても見つからないよ ざまぁないねぇ。まぁ、私の妹を殺した天罰だろうけど｣

『‥‥』

言い返せない。
あの時、お母さんはとっさのことに判断できた。それで私を自分の命を犠牲にして、助けた。

叔母さんにとってはお母さんはたった一人の妹。
悲しむとともに私に怒りが向いても仕方ないかも。

『‥‥仕事をしているので生きていけます。お気遣いありがとうございます。』

そう言って電話を切った。
‥‥お母さんが折角生かしてくれた。
だから生き抜いてやろう！


そう誓った。

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