優しい人たち【ＷＴ】【ｗｒｗｒｄ】 (ページ4)

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貴方side
これでよかったのか？
―いや、こうするしかなかったんだ。
あの優しい人たちに害がないようにするには。
「久しぶりねえ」
貴方『...』
無視して歩く。
なんでこいつがここにいるんだ。
「逃がすわけ...ないでしょ？」
殴られた。
ま、声は出さないけど。
やっぱり集団で襲われる。
独りじゃ何もできない奴らがそろってる集団だから仕方がないね。
突如、味わったことのない激痛がわき腹を襲う。
その個所からは真っ赤な桜吹雪が舞い散っている。
不覚にもきれいだと思ってしまった。
それが、自分からあふれ出しているというのに。
「痛い？痛いわよねえ？」
心底楽しそうに笑うやつらの声も入らない。
ただただ地面に咲いていく赤い花たちが美しい。
「ひっ。や、やっぱりこいつは、ば、化け物よ！」
突如、やつらは叫びだして逃げていく。
あーあ。またやっちゃった。
そんなに恐ろしいものなのかな？
この私の後ろにあるすべてが赤い液体のような感触の桜吹雪に囲まれた日本刀が。
私は個人的には好き...嫌いなんだけど。
だって、このせいでこうなっているのだから。
これは生き物から咲く赤い花たちを見ると力が増していく能力。
けど、ケガは回復しない。
数十秒後、日本刀は消え私の体には赤い桜が咲き乱れていた。
あまりの痛みに意識がもうろうとした。
「だ.じょ..？」
そんなとぎれとぎれの声が聞こえた気がした。